世界が注目するワインイベント:ヴィネクスポ(Vinexpo)

「ヴィネクスポ(Vinexpo)」は、1981年にフランスボルドーで始まった、世界的規模のワインサロン。ワインとアルコール業界に携わる人々が集って、この業界を啓蒙し将来の発展につなげることを目的にしている。ボルドーで誕生したが、フランスの他の街、香港やニューヨーク、上海、そしてニューデリーなどでも、同じ主催団体による同種のワインイベントが次々と立ち上げられ、今やワイン・アルコール業界を牽引するイベントとなった。

各会場の入口には、朝から長い列ができた。
©︎PhilippeLabeguerie

パリには以前から「ワイン・パリ」という別のサロンがあったが、この二つのイベントが統一されさらに大きなワインサロンとなり、パリで開催されるように。今年は、2月13〜15日に行われ、42カ国から3387の生産者が参加し、149カ国から36000人余りが来場した。ちなみに、1981年にボルドーで行われた初回は、21カ国から524の生産者、来場者は50カ国から11000人だったそう。

市内の大規模サロン会場を舞台に、国別・地域別にエリアが分けられ、3000を超える生産者スタンドが立ち並ぶ様子は壮観。ワインに限らず多くのアルコール飲料が集い、”ワールド”のエリアには大きな日本酒スタンドも。

熱心にメモをとりながら試飲する来場者。
©︎PhilippeLabeguerie

商談の場であると同時に、多くの生産者と直接コミュニケーションを取りながら試飲や発見をできる場でもあり、多くのカンファレンスやマスタークラスも行われる学びの場でもある。世界的に有名なソムリエや料理人の講義、プロセッコの紹介&試飲、カクテル作りの奥義、ナパヴァレーの気候風土紹介、小規模生産シャンパーニュの魅力、新素材ワインコルクについてなど、さまざまなテーマで何十ものプログラムが組まれ、テーマに特化した深い学びを得られるのも魅力的だ。

カンファレンスやマスタークラスは、英語とフランスの同時通訳付き。
©︎PhilippeLabeguerie

広大な会場の中で最も熱気があったは、ボルドーグランクリュ2020年の試飲会。100を超えるボルドーの格付けシャトーが勢揃いし、最新ヴィンテージをお披露目。世界中からやってきたソムリエやワイン愛好家が熱心に試飲していた。

世界中の生産者とワイン関係者が集うサロン。
©︎PhilippeLabeguerie

フランスを中心に世界中のワインが一堂に介し、エリアごとにまとまっているお陰で、来場者は、効率よく見て回って比較でき、多くの知識を得ることができる。生産者側も、世界中のソムリエやバイヤーと繋がれる場であり、双方一体となって盛り上げる、世界のワイン・アルコール業界において最も注目されるイベントだ。

カクテルエリアは大人気。
©︎PhilippeLabeguerie

会場だけでなく、市内のホテルやレストラン、小売店などでも”off”と称して、ワイン・アルコールやカクテル関連のさまざまなイベントやパーティーを実施し、祭典的な盛り上がりも見せた。

ちなみに、前週にはパリで、3年に一度の「世界最優秀ソムリエコンクール」が開催。11日に決勝戦が行われ、ラトヴィア代表レイモンズ・トンプソンスが優勝。翌日の「ワイン・パリ/ヴィネクスポ・パリ」では、トンプソンス同席のプレスカンファレンスも。

世界が注目するワインイベント二つが同時期に繰り広げられ、2月のパリは大いに盛り上がった。

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