楽天(楽天グループ株式会社)が4期連続の赤字となった。
2022年12月期の損失は3729億円(赤字)。
楽天の三木谷社長は決算説明会で以下のように述べている。
健全なバランスシートを保ちながら成長していきたい。
「保ちながら」。うまい言い方だ。まるで、
△2540億円(マイナス)に減少した剰余金(利益剰余金)。
モバイル事業の赤字脱却が急務だ。
2000万人の新規契約を獲得できるか
赤字から脱却するには、「損益分岐点」
現在の楽天モバイルの客単価(ARPU)は1805円。
楽天モバイルの強みは「安さ」
楽天モバイルの強みは「安さ」だ。
データ利用量無制限のプランでは圧倒的に安い。
だが、ヘビーユーザーが増えたとしても、「2000万人」
楽天の弱みは「信用の低さ」
楽天モバイルの弱みは「信用」の低さだ。
モバイル事業参入は2020年4月。
例えば0円プラン(Rakuten UN-LIMIT VI)だ。データ利用量が1GB以下であれば、
以下は、この0円プランに関する、三木谷社長の発言だ。
「
データ利用量1GB未満なら無料でいいんじゃないかと思っている 」
(2021年1月 0円プラン発表時)「0円でずっと使われても困るというのが、ぶっちゃけた話」
(2022年05月 0円プラン廃止・新プラン発表時)「血を入れ替えるといったら怒られるかもしれないが、
われわれにとって優良なユーザーに変えていく動きだった」
(2022年08月 0円プラン廃止の動向を振り返って)
これらの発言は、流出した「非優良」
「いきなりプランを変えるので不安」「今度は『
契約者数を増やした後値上げするのではないか。
2月14日の決算説明会では以下のようにも述べている。
「月980円の人じゃなくて。やっぱり、
ちゃんと使ってもらえる人たちを取り込んでいく、 というのが一つの目標なんで」
(2023年2月14日 2022年度通期及び第4四半期決算説明会)
従来、楽天モバイルのイメージの悪さは、つながりにくいという「
格付け機関からの「信用度」も低下
さらに深刻なのが、格付け機関からの「信用」低下だ。
2022年12月、イギリスのS&P(S&P グローバル・レーティング)は、楽天の長期格付けを「BB」
「金が借りづらくなる」
具体的には、社債を引き受けてもらいにくくなる、
格付け「BB」の社債は、
S&Pは、格付け引き下げの理由の一つとして「
過去に関心がない経営者
これまで述べてきた決算値や格付けは、
書籍「問題児」(著:山川健一 幻冬舎)によると、三木谷氏は過ぎたことをよく覚えていない、
過ぎ去ったことをあまりよく覚えていないのは、三木谷 浩史の一種の癖みたいなものだ。記憶力が悪いわけではなく、
過ぎてしまったことにはほとんど関心を持てないのだ。(中略) いつも自分が夢中になっているその時々のことで、 それ以外の過ぎたことは、彼にとってはほぼどうでもいい。 少年時代もそうだったし、今でもそうだ。 (「問題児」山川健一著 幻冬舎)
氏の頭の中にある「未来」
【参考・注釈】
※2022年度第4四半期 決算データシートより デバイス等原価は除く
参考:楽天グループ株式会社決算資料