社会貢献には「サステイナビリティ」が不可欠

バングラデシュのダッカにあるシェルターハウスを訪問しました。シェルターハウスとは、何らかの事情で親がいなくなってしまった子供たちをサポートする生活拠点です。素朴で純真なバングラデシュの子供たちの笑顔に癒され、元気をもらいました(写真)。

訪問したシェルターハウスは、バングラデシュで不動産投資をしている主に日本人投資家たちの資金サポートによって運営されています。

30人の親のいない子供たちが、明るい表情で人懐っこく話しかけてくるのを見て、素晴らしい活動だと心から感じました。

このような社会貢献にとって大切な事は、継続性(サスティナビリティ)だと思っています。

これは東日本大震災の時の体験がベースになっています。2011年の震災直後には、マスコミも熱心に報道し、たくさんの寄付やボランティアが集まりました。しかし、今やほとんど注目されることは無くなりました。

善意はありがたいことですが、寄付やボランティアには、残念ながらサステイナビリティが無いのです。

今は注目されているウクライナも、いずれ東北と同じ道を辿ることになるのではないかと懸念しています。

東北やウクライナに必要なのは、ブームになった時のその場限りの支援ではなく、10年単位の細くても長いサポートです。

バングラデシュのシェルターハウスの運営は、ダッカの不動産事業の収益によって維持されています。安定した事業収益によってサスティナブルなサポートができる仕組みが出来ています。

感情的に社会貢献の大切さを説いても、経済的基盤が無ければ継続することは困難です。綺麗事を言っても、結局必要なのは安定した資金力です。

以前、東北の被災した経営者の方が、「何が必要ですか?」と聞かれて「ぶっちゃけ、お金です」と答えていました。正直な回答ですが、日本ではお金が欲しいと面と向かって言えない空気があります。

社会貢献するには、理想論を語る前に、まずはお金を稼ぐ経済的基盤を作ること。

私は自分自身の社会貢献を実践するたけではなく、社会貢献をしたいと思っている人に、そのために必要なお金を手に入れるための具体的な方法を伝えていきます。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年3月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。