起業してビジネスでうまくいく人の3つの特徴

黒坂岳央です。

会社員をやりながら週末起業に挑戦をスタートし始めてからカウントすると、いつの間にか10年が経過していた。途中、色んなことがあったがとりあえず生き残ることができている。

これまでの自分のビジネス経験や、色んな経営者、フリーランスとコミュニケーションを取ってきて思うことに「起業してビジネスでうまくいく人は共通点がある」ということである。個人的な感覚値だが、私見を述べたい。

metamorworks/iStock

1. 行動力がある

まずは何と言っても「異常なほどの行動力があるタイプ」である。これはビジネスの成功規模に関わらず、5年、10年続けている人全員に共通すると言っていい。

時々、成功したビジネスマンに対して「自分は成功しますか?診断してください」みたいにお願いする人がいるが、残念ながらこういう「成功を他人から保証してもらいたい」と考えるタイプは絶対に成功できないと思う。

行動力が異常というのは、誰かにあれこれ聞いたりまずは人脈を作って…みたいなものではなく、パッと後ろを振り向いたらもう遠くまで走り出している、というタイプがほとんどだ。走りながら考える、というイメージである。

今大きな成功を納めて慎重派、みたいに思われている人も、過去を紐解いてみれば中学生や高校生の時点でブログや転売に挑戦した経験者だったりする。行動力がない人に起業は向かないと言い切っていいだろう。

筆者が知っている知人に、海外へYouTube動画を出して大成功しているビジネスマンがいるのだが、彼は大卒後すぐにウェブ制作会社を起業して失敗。次にYouTube動画でブログ制作のノウハウを発信するが失敗。その後、いくつもビジネスを失敗し続けたが、最後に日本文化を発信するチャンネルを作って大ブレイク、100万再生動画をいくつも作り、毎回動画のコメント欄は世界中のあらゆる言語で書き込まれている。

正直、英語はお世辞にもうまいとはいえないし、動画編集もあまり凝っているとはいえない。だが恐るべきはその物量だ。過去すべての発信で息を吸うように大量の発信をする行動力を見せた。多い時は一日5つの動画を出していた。世間的には決してスマートな成功とはいえないが、泥臭く大量行動で成功した彼のようなタイプは過去にたくさん見てきた。自分自身、成功者ではないがこれまで大量行動に救われた場面は何度もあった。

結果の保証されないことで大量の行動力を出せる人、それは遅かれ早かれビジネスで当てることができると思っている。

2. しつこくやり続ける人

ビジネスの成功者は例外なくしつこい。世界的CEOたちは全員判をついたようにしつこく、10年、20年とビジネスで挑戦し続けている。

「しつこさ」は一般的にはネガティブに受け取られる文脈も少なくないだろう。人間関係などでしつこい人は間違いなく嫌われる。しかし、こと挑戦する上ではしつこくなければ成功までたどり着かないと思っている。この言葉をポジティブに言い換えれば「諦めない」ということだ。

自分自身、成功者などではないがビジネスや勉強など一人でやれる分野については、結構しつこい自覚がある(比較的早めに損切りすることもあるが…)。英語を教えるビジネスをしていて、2018年9月からブログ、2020年4月からYouTubeを本格スタートした。

最初は本当に全然伸びず、1ヶ月毎日更新をしても前月からチャンネル登録者や再生回数が減ってしまう月もあった。それでも毎日更新を続け、途中で戦略を変えて1動画あたりを長くして1時間、2時間規模の長編動画にしたり、内容の質を高める工夫をした。定期的にチェックして、データが悪かった動画は削除し、逆にいいものだけを残すなどしながら、先日なんとかチャンネル登録者は1万人を突破した。周囲から見ると亀の歩みに感じられるだろう。だがいい。マイペースで今後もしつこく続けていくつもりだ。

文章を書く活動も、2017年にアゴラに記事を寄稿し初め、結構な日数が経過した。現時点でアゴラには647記事、他のメディアや個人的ブログ記事を合わせると2000文字以上の記事を2500~3000記事くらいは書いてきた。

稚拙な自慢なんて好きではないし、あまり生々しい数字を出して悦に入る趣味はないが、収入が増えたのはこれまでしつこく続けて来たおかげだと思っている。もちろん、上には上がいるのは分かっているし、胸を張って人様に自慢できる水準でもない。だがとりあえず自己満足できるところまでは来れたと思っている。

ちょっとやってみてうまくいかないからといって、すぐやめてしまう人は起業には向いていない。「まだやってるの??」と言われてからが真のスタートラインだろう。

3. リスクを取れる人

最後にリスクを取れる人である。

とはいえ、リスクと言っても「成功したら億万長者、失敗したら破産」といったイメージは一昔前のものだ。今では動画投稿をしたり、オンラインで人に技術を教えたりとコストをかけないスモールビジネスも多い。そのため、ビジネスによっては「最悪、1円も稼げない」という程度に留まることは少なくない。しかし、時間と労力はかかる。そこが最大のリスクであり、そのリスクを取れるかどうかが問われるだろう。

「やってみてうまくいくか分からない」。これほど人を挑戦から遠ざけるものはない。多くの人は結果の保証されたこと以外は絶対にやりたくないという思考を持っている。でもそれでは何事もうまくいかない。

自分自身の話で言えば、独学で英語をやるといったら「やめとけ」と言われ続けたし、フルーツビジネスをやるといったら「危険だ」と言われ、英語を教えるといったら「講師は飽和してる」と言われてきた。しかし、全部大成功とは言えないまでもなんとかやれて今も続いている。起業したことがない人からやめとけと言われてやめてしまうような人は起業は向いていない。リスクを取らなければリターンはない。これが資本主義社会の鉄の掟である。

個人的には今回紹介したこの3つの要素が、起業して成功する上では絶対的に必要だと思っている。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。