日本経済新聞電子版が、高級ウイスキー、高級車、アート作品、高級時計といった「ラグジュアリー商品」の価格が急騰していると伝えています(図表を元記事で見る)。
データの出所は「ラグジュアリー指数」をまとめているイギリスの大手ナイト・フランク社です。2022年末時点で10年前の2012年末に比べ、各商品が値上がりしています。
図表からはナゼか外されていますが、ウイスキーが4.73倍に上昇、高級車が2.85倍で続いています。
全ての商品が同じように値上がりしている訳ではなく、人気のあるなしによって差が出ていると思います。ラグジュアリー指数の算出方法については詳細に調べる必要があります。
これらの値上がりする商品に共通するのは「希少性」です。供給が限られていることによって、需要が高まると需給関係から価格が上昇するのです。
高級車で言えば、過去に生産された人気車種は生産中止でもう供給が増えることはありません。むしろ、劣化して廃車になったりすることで、時間と共に供給数は減っていくのです。これは、年代物のワインやウイスキーでも同じです。
美術品も相続などで美術館に寄贈されれば、マーケットからは消えてしまいます。亡くなった作家の作品は減り続けるしかないのです。
私が主宰する個人投資家コミュニティ資産設計実践会では、アンティークコイン、アンティークロレックス、トレーディングカード、高級ワイン、シングルモルト、ヴィンテージカーなどに数年前から注目していました。
それぞれの分野の専門家を招いて、情報収集と具体的な商品の紹介を行ってきました(興味のある方は、説明会に参加してみてください)。
金融資産と実物資産の組み合わせによるアセットアロケーションこそ、個人投資家が実践すべきベストな投資手法だと、資産デザイン研究所を設立した10年以上前から言い続けてきました。
それにしても、金融商品に偏重した情報提供をしている日本経済新聞が、実物資産に注目する記事を掲載するのは珍しいことです。ようやく世の中の流れが少しずつ変わってきたような気がします。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。