人生の後半戦で「老害」と言われないために

会社に勤務している同世代が、そろそろ還暦定年に達し、第2の人生を歩み始めています。

私には定年はありませんが、数年前から仕事を無理をして増やさないようにし、やりたくない仕事はやらないようにしています。

楽しい仕事だけを仕事の感覚をあまり持たずにストレスなく続けられるのは、とてもありがたいことです。

仕事量が減った分、旅行や食事に出かける機会が増えましたが、それがまた新たな仕事に繋がったりする不思議な連鎖も起きています。

そんな現状には、とても満足してはいるものの、最近このまま自然体で仕事を続けて果たして良いのだろうか?という疑問を持ち始めました。

というのも、私より少し上の世代で現役で仕事をしている人の中に「老害」としか思えないような人を見ることがあるからです。

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過去の経験をひけらかし、先輩風を吹かせて、現場を混乱させている姿を見ていると、自分は絶対そのようにはなりたくないと強く思います。

その一方で、もしかしたら自分も気が付かないうちに老害パワーを撒き散らしているのではないか。そんな不安も頭をもたげてきました。

年齢や性別を意識することはあまり無く、フラットに人付き合いをしている方だとは思いますが、周りはどう思っているのかはわかりません。ふと世代ギャップを感じることも増えてきました。

先日こんなことがありました。「カレン」という名前の芸能人と聞いて、みんなから出てきたのは、滝沢カレン。でも、私が思い出したのは霧島カレンでした。大いなるカレン違いです(笑)。

それ自体は大した話では無いかもしれません。しかし、気が付かないうちに自分の常識が、周りの人には非常識になって、ズレているのかもしれない。そんな恐怖を感じました。

やりたい仕事を続けているうちに、無意識に周りに迷惑をかけたり、不愉快な気分にさせるのは本望ではありません。

だとすれば、会社員が定年退職するように、どこかでリミットを決めて、一切の仕事をスッパリとやめる選択もありかと思い始めました。

仕事は楽しくいつまでも続けたいとは思いますが、「老害」と言われながら人生の後半戦を過ごすのは避けたいものです。

この問題は意外に奥が深そうです。今すぐ仕事をやめようとは思いませんが、仕事との付き合い方をこれからじっくり考えてみようと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。