リモートではできない「3つの仕事」

長期で東京を離れ、旅行をしていると、少しずつ仕事が溜まっていきます。旅先からネットを使ってできる仕事もありますが、どうしても東京になければできない仕事もあるのです。

まず、人と会わなければいけない仕事は旅先ではできません。ビジネスで初めて人と会う時は、やはりズームなどよりもリアルで会った方が安心です。お互いに顔を見て話をしているうちに、信頼関係が醸成されるメリットがあるからです。

会食も、時間はかかりますが、人間関係の構築に大きなメリットがあります。

また、リアルなセミナー、講演会も東京で開催されることがほとんどです。開催日には東京にいる必要があります。

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会場に行って、来場者とコミニケーションを取りながら話をする。講演者も、来場者も、お互いに会場まで足を運ばなければなりませんが、その分オンラインセミナーとは、また違った魅力があります。

さらに、東京になければできないのは、紙の書類の作成や受け渡しです。不動産投資では、購入した後も、様々な書類のやりとりが発生することがあります。

例えば、印鑑証明の取得や、書類に押印して返送する手続き等は実物がないと手続きができません。このような書類が溜まっていくと、東京に戻って書類をまとめて行う必要が出てきます。

今後、自分で仕事をすることをやめてしまえば、セミナーや講演会のような仕事が無くなり、新しいビジネスも無くなります。そんなライフスタイルになれば、最初の2つの仕事は、無くすことができそうです。

しかし、書類のやりとりは、お金に働いてもらっている場合でもなくなる事はありません。実印や印鑑証明を使うような仕事は、人に任せることができず、やはり自分でやるしか無いからです。

東京以外の場所に長期滞在するとしても、やはり1ヵ月に一回程度は戻ってくる必要がある。リモートが以前に比べやりやすくなったとは言え、完全にリアルなやりとりをなくす事は難しいということです。

といっても、長期で外出していると、家に帰りたくなるタイプなので、完全リモートが実現できなくても、私にはあまりデメリットはありません。

少なくとも、旅先で仕事のことでストレスがたまらないような仕組みだけは作ってから、心置きなく出かけられるようにしておきたい。毎回旅に出る度にそう思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年4月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。