ウィーンフィルハーモニー&クリスティアン・ティーレマン@ムジークフェライン(楽友協会)。今日は、土曜日定期午後公演。
ブルックナー”シンフォニー8番”。以上。
潔いよね、俺様ティーレマンらしいプログラム。去年パリにスタットカペレ・ドレスデンと来た時も、ブルックナー9番のみで、流石にもちょっと聴きたい〜、みたいなプログラムだった。
去年ここに来た時も思ったけど、ムジークフェラインの窓、暗くなったよね?前は自然光が入って、会場がもっとキラキラに輝いてた。
前夜同様、コンマスはホーネック、横にシュトイデ。舞台に入る直前、二人顔を見合わせて握手。いいねぇコンパニオナージュな感じで。木管も前夜と同じメンバーかな。
ブルックナーの大作。この大好き作曲家を、このホール&このオーケストラで聴けるのは、本当に特別感あるというか幸せ。数年前、ムーティーが7番を振った時は、あまりの凄さにヘトヘトになった。これが、今までのムジークフェライン体験で一番の感動。
音の嵐に巻き込まれたような80分。吠えるような音の迫力と強さが、外の強風に負けてない。音楽に吹き飛ばされる感覚。二楽章、すってき〜!低い重心での凄みある迫力に身も心も痺れる。かっこよすぎる。四楽章の冒頭も涙が出るほど素晴らしい。
前夜同様、フルートとホルンがたまに変な音になってるけれど、全く気にならないくらいティーレマンとオーケストラの重厚な迫力に圧倒される。
ティンパニには、頭を殴られているようにすら感じる。のに、痛くはなく、もっともっと殴ってほしい、という感じがたまらない。このホールならではの、音が下からも上からも響いてきて身体中を包んでくれる感覚、最高。
横の横、10歳くらいのアジア人少年少女。日本人っぽい。身動きもせず、食い入るように舞台を見ながらこの大曲に聴き惚れてた。この歳で、この曲&オケ&指揮者&ホールを体験できて幸せね。
80分後、たまらなく心地よい疲労感に包まれ、どうだ!と言わんばかりのお顔で何度も何度も拍手に答えるティーレマンをぼ〜っと見つめる。多分、8回出てきたと思う。初めて見た8回って(笑)。
昨夜よりもずっと感動が深いのは、席か曲目か。多分両方よね。
あー、素晴らしかった!この感動と興奮が明日もあるのかと思うと、口元ついつい緩んじゃう♪
前夜の演奏会の様子はこちらから。過去のウィーンフィル@楽友協会日記のリンクもあります。
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年3月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。