日本病は続く

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日本の将来は非常に暗い

日本の3大病は人口減少、少子化、高齢化である。国を経済的に成長させるためには人口の増加が必ず必要。それに加えて生産性の向上が必要である。人口の増加がこれからの日本で期待できないとなると、生産性の向上を図るしかない。それでも日本の将来は非常に暗い。何しろ、20年後には1.5人の労働者が1人の高齢者の社会福祉を負担するような構造になってしまうのである。

例えば、2021年の労働生産性(GDPを就業者数の総労働時間で割ったもの)の国際比較を見ると、日本は世界で28位となっている。勿論、G7の中では最も低い国となっているし、隣国の韓国にも追い越されている。

また、一人当たりのGDP(購買力平価)で見ると、1996年に日本は世界で9位であったのが、5年後の2001年には21位に急落している。それ以後もこの回復はなく、2021年には26位まで転落している。アジアでは小国のシンガポール、香港、台湾そして韓国にも追い越されている。

日本が大いに反省すべきこの現状に対し、自民党政権は相も変わらず日本のGDP3位を強調して来た。政府からの虐待を恐れた日本のメディアも同様にGDP3位を常に前面に取り上げて来た。

危機意識に欠ける国民

また、国民も生活するに不自由はなく、この2つの局面に注意を払わずにいる。今も、「日本は世界で3位の経済大国である」とだけ思っている。
しかし、これはとんでもない誤審である。1980年から日本は次第に貧しい国に転じているのである。G7の中で、日本はこの2つの面で最も貧相な国に転じているのである。

GDPについて見ると、1980年から2020年までに日本のGDPは僅か2倍に成長しただけ。米国とカナダは7倍、フランスは5倍、ドイツは4倍、イタリアは8倍、英国は9倍にそれぞれ成長しているのである。

自民党政権の過ちは重罪

日本のこの2つの面で後退に導いたのは、40年間政権担って来た自民党である。途中3年間は他政党が政権に就いたが、それは意味あるものではない。

このように40年間も日本の後退を導いた政党が現在も政権に就いているということ自体が理解できないことである。国が発展しようが後退しようが、同じ人物あるいは政党が政権を担うというのは恰も独裁国家のようである。この先も自民党政権が続くようであれば、それは間違いなく日本を崩壊に導くことになる。

例えば、バブル崩壊の前の1989年の政府債務は254兆円であった。それが現在1200兆円にまで膨れあがっている。GDPのほぼ2倍強である。もう絶対に返済できない金額になっている。アベノミクスでやったことは政府の借金を国債の発行で補って来ただけである。企業で言えば赤字経営を長期続け、存続の為に必要な資金を銀行から仰いだようなものである。間接的に見れば国民が貯めた資産を政府に貸し続けて来たようなものである。それでいて、経済の回復はなく成長もない。

その一方で政府の債務は天文学的に膨らむだけ。更に追記として、そのような無駄な政治を遂行した人物が暗殺された。国益に貢献していない彼を国民から徴収した税金を使って国葬にした。今の日本の政治は狂っているとしか思えない。

経済の発展維持には生産性を上げることが必須

これから人口が減少して行く中で経済力をある程度保って国民をさらに貧困に導かないためには企業の生産性をあげるしかない。さらに貧困化させないためにと指摘したのは、現在の日本の貧困率は15.7%で、米国の18%に次いでG7の中で2番目に貧困者の多い国だ時からである。この現状も多くの国民は知らない。またメディアも自民党政権に遠慮してそれを取り上げない。

生産性を高めるには中小企業の再編しかない。日本の大企業の割合は0.3%。 企業総数は421万社。大企業以外の中小企業は99.7%で、およそ419.8万社となっている。 問題は中小企業の中で従業員が5人以下の小企業が360万社近くあるということである。そして60万社余りが中企業である。小企業は危機になると一番脆いし、生産性を高めるための資金もないところが大半である。それでも再編を勧めて新しい分野の事業に向かわせるとか、小企業同士が合併するとかして企業規模を広げて行く必要がある。そうでもしないと、日本の生産性に向上は見られないのである。

またそれを上げるためにも賃金の引上げも必要である。賃金の引上げに耐えられな中小企業もあるが、それができない企業は合併するとか廃業するとかといった厳しい決断も政府が率先して勧めて行く必要がある。そうでもしない限り、生産性の向上は永久に見られなくなる。

新しい政党の誕生が必要

自民党の政権は議員の選挙地盤での票の行方を気にしてやるべき断行を引き延ばす傾向にある。それがこれまでの自民党政権である。

しかし、これから20年先までもう余裕はない。自民党が決断を下せる体制になっていないのであれば、新しい政党を誕生させて過半数の議席を確保して政治改革を断行して行く以外に日本を救う道はもう残されていない。

例えば、メキシコでは制度的革命党と短期ではあるが国民行動党による2つの政党が70余年政権を担って来た。それに発展を見ず汚職や犯罪の多発などで2018年に新しい政党国民再生運動が創設させた。同党は過半数の議席を獲得して政治改革を急いでいる。この政党を誕生させたのはアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏で、彼が同年大統領に就任した。ロペス・オブラドール氏は3大政党の一つ民主革命党に所属していたが、そこを離党して国民再生運動を創設して自らが大統領選に立候補したのであった。

現在、国民再生運動は過半数の議席を失っているが、依然オブラドール大統領の政権の運営に強い味方となっている。日本でも同じような動きが必要であろう。新しい政党が過半数の議席を獲得し、その党首が首相に就任するという方法である。こうでもしない限り、現在の自民党政権は何もできないし、また何もしない政党である。また現在の野党はどれも政権を担えるだけの支持を集めることは不可能である。