人間関係を「確実」に改善する方法

黒坂岳央です。

世の中の悩みのほとんどは人間関係に由来するといっていい。だから快適な人間関係を作ることができれば、人生から多くの悩みや苦痛を取り去ることができる。

「でも人間関係なんて運次第でしょう?会社勤務をすれば、配属先の上司や同僚は自分では選べないのだから」という反論もありそうだ。確かに運の要素が大きいことは否定しない。だが100%ではないにしろ、この運の操縦桿を握って、自分の理想的な人間関係は作ることができると思っている。

結論から言えば「自分のレベルを高める」ことである。

AscentXmedia/IStock

人間はコミュニティで生きる

筆者は人間社会は必ずコミュニティを作って生きると考えている。学校でも勉強が得意な子、スポーツが得意な子でそれぞれつるむ。同じ趣味とか出身地など、人間関係とは共通点がある相手に興味を持ち、同じ感性を喜び合い、仲良くなっていくというプロセスを経るのだ。

そして同じ属性同士でも、長期的な人間関係の継続とは同じレイヤー同士で起きやすい。仕事でも部長は部長同士、平社員は平社員同士でつるむし、社長は社長と付き合う。所得水準や生活レベルも同じことが言える。巷で言う「よく連絡を取り合う上位5人の平均年収は自分と同じになる」というのもこうした実態が出処となっているのだろう。

逆にいうと属性が違う環境に身をおくことは苦しみを生み出す。進学校で周囲はみんな息を吸うように勉強をしている中で、自分一人がまったく勉強をしないというのは肩身が狭い。また、田舎で地元のコミュニティが出来上がっているところに、東京生まれ東京育ちの人間が後から入っていくのはかなり居心地が悪く感じられるのだ。

学歴は快適な人間関係を買う切符?

先日、目に留まったTwitterの投稿があった。すでに削除済となっているのであいにく引用はできないが、内容を端的に言えば「学歴は居心地の良い環境への切符。低学歴の社会は理不尽とパワハラの温床でハズレの人間に当たる可能性が高まる」ということだ。

確かに、と思わされた。お断りしておくと自分は低学歴をバカにするつもりはない。周囲の高所得経営者は中卒や高卒の人も少なくないし、自分自身も高校は大阪で最下層に近いレベルの工業高校出身なので、上から目線でえらそうなことを言うつもりもない。逆に高学歴でも卓越した知能指数を犯罪に使って捕まってしまう人間だっている。

しかし、そこを踏まえた上で、あくまで統計上の話とはいえ学歴と人間レベルにある程度の相関性を導き出すことは可能だ。筆者のいた工業高校では暴力やドラッグなどで警察に捕まった同級生が何人出たが、東大卒よりその確率は圧倒的に高いと推測が可能だ。

また自分は昔、地元のお弁当屋さんやスーパー、引越センターでバイトをしていた時期があったが、その時はよく理不尽に叱られた。作業手順を何の説明も受けず、分からず手を止めて迷っていると「オイお前!さっさと手を動かせよ!」といきなり頭を叩かれたこともあった。

だが東京の外資系企業で東大卒や海外MBAホルダーに混じって働いている時はそんな暴力的な人はいなかったし、こちらが理解不足で手順を間違えてあやまると「こちらの説明がわかりにくかったようだ。申し訳ない。」と逆に謝られた経験もある。

自分のレベルが上がれば人間関係は改善

現在、人間関係の理不尽やパワハラに苦しんでいるなら、努力して自分自身のレベルを上げることで人間関係の多くは改善されるだろう。もちろん、社会で働くと学歴は関係ない。中卒でも素晴らしい人間はいる。しかし、あくまで確率論とはいえ、学歴を高めれば人間のレベルも高くなる確率は高まるのも事実だろう。

留意すべき点としては、「周囲の人間のレベルが低い!」と周りの人のせいにするのではなく、まずは自分のレベルを上げるのが先だという話だ。自分が上のレベルへ上がり、結果として周囲のレベルもアップするということである。快適な空間を見つけたら、それがその時の自分にあったレベルなのだ。

人間関係の悩みや問題はついつい、他責にしてしまいがちである。実際、自分に落ち度がなく相手のせいで迷惑を被ることは少なくない。だがそこで愚痴ったり腐っても状況は改善されない。「ああ、自分のレベルを上げる時が来たということなんだな」と解釈して、勉強やスキルアップをしてステップアップすることで新しいステージに行くことができるだろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。