ドイツはついに「原発ゼロ」だが、それはうらやましいのか

ドイツが4月15日に残る3基の原発を停止し、予定通り原発ゼロになりました。もともと去年末に止める予定でしたが、ウクライナ戦争でガスのパイプラインが止まっていたため、延期していたものです。

これについては賛否両論ありますが、最大の反響を呼んだのはこのツイート。

なんかの勘違いだと思いますが、もちろん西ドイツは1955年にNATOに加盟しています。しばらくして田原さんも訂正。

おなじみのこの人も、おなじみの勘違い(というかミスリード)。

ドイツは原子力70%のフランスから電力を輸入しているので、「原発ゼロ」になっても「原子力ゼロ」ではありません。

ドイツは電力の純輸出国ですが、それは風力が余っているとき安く輸出して、足りないときフランスから高く買うので、電気料金はフランスの2倍。家庭でも月10万円の電気代は珍しくないそうです。

産業用の電気料金は日本の3.5倍。BASFなど製造業がどんどん海外移転しています。

世論調査では、6割のドイツ人が「この決定は間違っている」と答えましたが、もうドイツ国内に原子力産業はなく、取り返しがつきません。

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ドイツの左派政権にとっては、1990年代から進めてきた脱原発政策の総仕上げなので、政治的にはゆずれなかったのでしょう。いったん決めたことは、どんなにバカげた政策でも国をあげて徹底的にやり遂げる、ナチスの勤勉さですね。

勤勉は馬鹿の埋め合わせにはならない。勤勉な馬鹿ほど、はた迷惑なものはない(ガイヤー)