ドイツが4月15日に残る3基の原発を停止し、予定通り原発ゼロになりました。もともと去年末に止める予定でしたが、ウクライナ戦争でガスのパイプラインが止まっていたため、延期していたものです。
ドイツ、原子力から脱却 国内最後の原発3基を停止https://t.co/3Q27cJ5yMS
ドイツは15日、国内に残る最後の原発3基の稼働を停止します。60年以上続いたドイツの原子力の時代が終わりを告げることを意味します。
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) April 15, 2023
これについては賛否両論ありますが、最大の反響を呼んだのはこのツイート。
ドイツは凄い。ドイツが出来てなぜ日本が出来ないのか。ドイツは白黒はっきりしていて、だから安全保障もNATOには加盟してない。第二次世界大戦への反省が極めてはっきりしている。この点が日本はグレーではっきり言えば安全保障でもエネルギーでも曖昧だ。 #NewsPicks https://t.co/tbGsGeLFB0
— 田原総一朗 (@namatahara) April 16, 2023
なんかの勘違いだと思いますが、もちろん西ドイツは1955年にNATOに加盟しています。しばらくして田原さんも訂正。
ちょーとまって!!!今、田原総一朗が「ドイツはNATOには加盟してない」って言ったから静かにして!! pic.twitter.com/phtBIWEGos
— Katana Edge@中2超ポリコレリベサヨうんこ美少女💉💉💉 (cv: 広川太一郎) (@amiga2500) April 16, 2023
おなじみのこの人も、おなじみの勘違い(というかミスリード)。
ドイツの再エネ割合46%!日本はなにをやってるのか。。
ドイツ脱原発完了 再エネ加速、安定供給課題
昨年の総発電量に占める再生エネの割合は約46%で、原子力は約6%だった。政府は30年までに電力消費の8割を再生エネで賄うことを目標にしているhttps://t.co/8dTtRIaqLc pic.twitter.com/WEgGxlwzNW
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) April 16, 2023
ドイツは原子力70%のフランスから電力を輸入しているので、「原発ゼロ」になっても「原子力ゼロ」ではありません。
脱原発はご自由ですが、石炭、石油に頼らざるを得ず脱炭素的には逆行ですし、ガスはロシアに依存し酷い目にあっているし、電力不足でフランスから輸入すると結局原子力頼みというこ… #NewsPicks https://t.co/xgbnf5Eqa4
— 氏家夏彦 (@natsu30) April 16, 2023
ドイツは電力の純輸出国ですが、それは風力が余っているとき安く輸出して、足りないときフランスから高く買うので、電気料金はフランスの2倍。家庭でも月10万円の電気代は珍しくないそうです。
フランスはドイツの余った風力が安いから輸入しているが、ロシア産のガスがなくなったドイツは、フランスの高い電力を輸入しないと停電になる。
安い電力を輸出して高い電力を輸入しているドイツの電気料金は、フランスの2倍だ。 pic.twitter.com/YXy3LmbFx1— 池田信夫 (@ikedanob) April 16, 2023
産業用の電気料金は日本の3.5倍。BASFなど製造業がどんどん海外移転しています。
ドイツの電気料金は2000年代以降に大きく値上がりしました。無理な再エネ政策は、国民生活や産業に負担を強いていると言えます。
脱原発のドイツ、産業用電気代は日本の3.5倍 – 日本経済新聞 https://t.co/vnRrahJSII
— 分電でんこFC(電力・エネルギー業界応援) (@denkochan_plc) April 16, 2023
BASFがドイツ国内の主力工場縮小で2600人の人員削減計画、中国への生産の移動を示唆。Ford もドイツ国内で2300人削減が伝えられた。
製造業を国内に残すことの安全保障上の重要性は今次の戦争で強く意識されるようになったが、与党の緑の党やSPD支持者の一部はむしろこの脱工業化を喜ぶだろう。 https://t.co/3teUt5wZEK— Sgupping (@sgupping) February 26, 2023
世論調査では、6割のドイツ人が「この決定は間違っている」と答えましたが、もうドイツ国内に原子力産業はなく、取り返しがつきません。
これは単にショルツが「頑固」なだけで、ドイツ国民はもっと冷静。原子力を排除するやり方は、欧州の中ではむしろドイツが孤立。日本のメディアはドイツを持ち上げ過ぎ。もっと原発の新技術をちゃんと取材して、それぞれの技術の長所短所を国民に知らせる仕事をしてほしい。https://t.co/aj839eay18
— Yoko Iwama 岩間陽子 (@2000grips) April 16, 2023
ドイツの左派政権にとっては、1990年代から進めてきた脱原発政策の総仕上げなので、政治的にはゆずれなかったのでしょう。いったん決めたことは、どんなにバカげた政策でも国をあげて徹底的にやり遂げる、ナチスの勤勉さですね。
勤勉は馬鹿の埋め合わせにはならない。勤勉な馬鹿ほど、はた迷惑なものはない(ガイヤー)