陸前高田と気仙沼に「また来てしまう理由」

資産設計実践会メンバーと東北スタディーツアーに来ています。

この投資家コミュニティのスタディツアーの目的は、いつもは不動産などの投資対象を視察することです。でも、東北に行くときだけは例外です。

東北には、東日本大震災直後から復興に取り組み経営者の皆様と交流を続けてきました。復興支援で始めたことが、いつしか逆にこちら側が大きな勇気をもらえるありがたい機会に変わっています。

経済的、精神的な大きなダメージから、諦めずに力を合わせて復興に粘り強く取り組む。そんなひたむきな生き方を見て、自分自身の人生を重ねあわせると、そこから大きな気付きが得られるのです。

東北には、たくさんの魅力的な方がいらっしゃいますが、その中でも今回とても楽しみにしていたのは、陸前高田にある八木澤商店さんの河野会長との再会でした。

八木澤商店さんは、最高品質の味噌・醤油を200年以上造り続ける老舗です。特に「奇跡の醤」は、震災時にまさに奇跡的な出来事から甦った特別なお醤油です。

コロナ禍でリアルにお会いすることがずっと出来ず、ようやく今回陸前高田にあるカモシーでお会いすることが出来ました(写真)。

今回もまた河野会長から震災時のお話を伺い、何故か涙が出てきて、元気になって、感謝の気持ちが湧き上がってきました。もう10回以上同じ話を聞いていると思いますが、何回聞いてもまた聞きたいと思ってしまうのはなぜでしょうか?

震災からもう12年が経過して、街の雰囲気もすっかり変わっていました。多くの日本人から震災の記憶が失われつつあります。復興支援をきっかけに始まった東北とのご縁は、もはや東北の復興とは関係なく、いつしか出会った皆様との楽しい絆に変わっています。

名残惜しくカモシーを後にしましたが、2日目には気仙沼にある唐桑御殿つなかんの菅野一代さんとお会いする予定があり、こちらの再会もまた楽しみです。

やっぱり東北は控えめに言って最高です!

Mukaiyama Takeshi/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年4月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。