公道で電動キックボードに乗ろうと思わない訳

最近街中で電動キックボードを見かけることが増えました。自転車と同じように、シェアリングサービスを行う会社も出てきています(写真)。

私はこの電動キックボードには乗ったことはありません。確かに乗っている人を見ると、スピーディに移動でき、バイクのように場所も取らず近場に出かけるには便利そうです。

しかし、公道で乗り回そうとは思いません。とても危険な乗り物だと思うからです。

まず、乗る時の足場がとても不安定です。タイヤの上の小さくフラットな場所に足をそろえて乗るので、衝撃やバランスを崩すと足を踏み外すリスクが高くなります。

また、車輪が小さく道路の凸凹に対応しにくい構造です。スピードを出して、もし前輪が段差にぶつかれば、体ごと前方に飛ばされてしまう事態になりかねません。

更に恐ろしいことに、道路交通法の改正によって、2023年7月1日より電動キックボードの規制が緩和されるそうです。

「特定小型原付」という基準を満たした電動キックボードであれば、16歳以上であれば運転免許は不要になるといいます。

また、ヘルメット着用は努力義務で強制されません。

最高速度は20km/hまでに制限されるそうですが、マシンの性能が制限されるわけではなく、車と同様に制限速度を守らずスピードを出す人が増えそうです。

車道走行できますから、自動車の間をすり抜けるように乱暴な運転をする人も出てきます。

携帯を使いながら走って、道路の凸凹でバランスを崩して転倒。更に自動車に巻き込まれるといった事態になれば、命に関わります。

電動キックボードの規制緩和がどのような事情で行われるのかは分かりませんが、事故が多発して大きな社会問題にならないかと懸念しています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。