2億円のジャパニーズウイスキーは誰が買うのか?

銀座で定期的に開催されている。シンワオークション。もともとは、絵画などの美術品が中心でした。最近はワインやウイスキー、さらにはスニーカーやトレーディングカードまでオークションの対象となっています。

2023年5月27日にもオークションが開催されるということで、そのカタログが送られてきました。

今回は美術品がほとんどですが、その中で唯一のウイスキーが日本のイチローズモルトです。

「CARD」と呼ばれるトランプのカードをラベルにデザインしたもので、58本でコンプリートするコレクター向けのシリーズです。

以前からマニアの間でカルト的な人気を誇っていましたが、今回の落札予想価格は、なんと1億円から2億円となっています(写真)。もしかすると、さらに高い価格で落札されるかもしれません。

以前、同じ「CARD」シリーズの一部だけがシンワオークションに出品された時、落札現場に居合わせました。落札していたのは、おそらくアジア系と思われる海外からの参加者でした。今回も海外からの資金で落札される可能性もあると思っています。

落札したとしても、その人が飲む事は恐らくないでしょう。数年後に再びオークションに出品され、さらに高値で落札されることを期待していると思います。

超高額なワインやウイスキーになると、買える人の数が少なくなります。

需要があまりないと思うかもしれません。しかし、実際には需要以上に供給される商品の数が少なく、超富裕層の間で奪い合いになってしまうのです。

その結果、値段が安いものよりも、値段が高いものの方が価格上昇率が高くなる傾向があります。

希少性という観点からは、数千戸単位で売りに出される1億円の晴海フラッグより、なかなか手に入らない1億円のウイスキーの方が、数年後値上がりしている可能性は高いと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年5月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。