「能力のある専門家」は奪い合いになっている

専門家の仕事というのは、同じ仕事であっても、人によって能力の差が大きいものです。

例えば、パーソナルトレーニングの指導を行うパーソナルトレーナーです。

最近の筋トレブームで、パーソナルトレーナーは増えていますが、能力の高いトレーナーはそれほど多くはありません。

トレーニングの方法や、筋肉の構造に深い知識を持ち、クライアントの目標に合ったトレーニングメニューを提案できる。そして、対面でのトレーニングをするときのコミニケーション能力が高い。また、予約の調整がしやすく、柔軟に対応してくれる。

このようなパーソナルトレーナーは、なかなか見つけることができません。

私が現在お願いしている方は、極めて能力が高く、友人や知人にも自信を持って紹介していたのですが、最近新規の募集を停止しました。

口コミで人気になって、対応できない位の希望者が来るようになったからです。

zorazhuang/iStock

資産デザイン研究所の顧問税理士も少し前から新しい顧問先の募集をしなくなりました。こちらも口コミで顧問先がどんどん増えて、処理能力の限界を超えたというのが理由です。

最新の税務に詳しく、海外不動産や暗号資産といった投資対象の税務にも明るい。また、こちらからの提案やお願いに前向きに対応してくれる。そして事務処理が正確で、対応が早い。このような税理士法人はあまりありません。

税理士も能力のある人とない人の差が激しく、親の代から長年依頼していた税理士の能力に不満を持ち、新しい税理士を探している人はたくさんいます。

このように、どの分野でも能力の高い専門家には、顧客が集中して、なかなかやめません。その結果、新規の募集を止めてしまうのです。

能力の高い専門家は、これから各分野で奪い合いになっていくと思います。

のんびりしていると、良い人がどんどん囲い込まれてしまい、手遅れになりかねません。早めの行動が将来の大きな差になっていきます。

専門家も「誰と付き合うか」が大切です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年5月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。