ジェネリック医薬品が深刻な供給不足に:薬価が下がったのは誰のせい?

ジェネリック医薬品(後発薬)が深刻な供給不足に陥っているそうです。ジェネリック医薬品のずさんな品質管理が明らかになり、製造ラインが止まる事態となっています。

ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れた後に製造・販売される、「先発医薬品と同じ有効成分を同量含んでおり、(先発医薬品と)同等の効き目がある」と認められた医薬品のことです。近年医療費削減のため、厚労省は先発品からジェネリック医薬品への切り替えを進めてきました。

後発(ジェネリック)医薬品メーカーによる品質不正があいついで発覚しました。厚労省から業務停止命令や業務改善命令などの行政処分が出されました。このため生産ラインは滞り、全国規模で供給不足になりました。

ジェネリック医薬品市場では数量シェア拡大が優先され、品質管理が後手に回りました。厚生労働省も「後発品の使用促進を進めてきたのは政府です。それが拙速ではなかったか、我々も真正面から受け止めないといけない」と一部責任を認める発言をしています。

参考:厚労省「後発品の使用促進は拙速だった」 日経メディカル

政府=財務省の無策だという怒りの声も聞こえてきます。

しかし、ことはそんなに単純ではないようです。

厚生省は苦肉の策で薬価基準を下げてそれを医療費に回すという事を繰り返してしまいました。

窓口負担は議論される余地もなく、医療費を削減するために過剰な受診を抑制することを拒んできました

業界団体が現状維持を望むばかりに、足元である供給体制が崩れてしまいました。事件は現場で起きています。