ひまわり市場で買って食べた「遠距離恋愛メンチカツ」

八ヶ岳のある北杜市には、ひまわり市場というメディアによく取り上げられる有名なスーパーがあります。

店長のボイスパフォーマンスで売り場を盛り上げ、熱烈なファンがいる変わったローカルスーパーです。

せっかく近くに来たので、お店に寄ってみました。

バーベキューの買い出しが終わる頃に、ちょうどボイスパフォーマンスによるタイムセールが始まりました。お店の中央にワゴンが急に集まってきて、マイクを使った説明とともに特売品が売られ、お客さんが次々買っていきます。平日の午後にもかかわらず、売り場は大賑わいでした。

そこで売られていたのが「遠距離恋愛メンチカツ」です(写真)。遠く離れた、2つの生産地の材料を使っているから、遠距離恋愛というわけです。ネーミングの由来は今一つピンときませんでしたが、インパクトはあります。

せっかくなので買って食べてみましたが、出来立てで肉厚ジューシー。奇を衒ったネーミングだけではなく、買って後悔しない高いクオリティーでした。

しかし、メンチカツが300円というのは、価格としては安いとは言えません。タイムセールといっても、安売りをしているわけではないのです。その時間にしか売っていない限定品が買えるのが魅力なのです。

通常販売しているものも、地方のスーパーとは思えない品ぞろえです。例えば、地元の宇宙ビールという、1本800円する高級クラフト缶ビールが当たり前のように置いてあったりします。

商品に対する熱い思いがこもったポップや、店長のマイクによる説明。他の無味乾燥なスーパーとは異なり、楽しくなる仕掛けがたくさんあるテーマパークのような雰囲気を感じました。

良いものを届けたい、利益を生産者にも還元したい。そんなお店の思いが、買い物客に上手に伝わり、売り上げがアップするという好循環が続いている。

別荘地という特殊事情はあるのかもしれませんが、人口5万人足らずの街で、このような経営が成り立つのは奇跡だと思いました。

いろいろ調べてみると、店長が経営を任された時は借金4億円で、店員40人のうち10人がやる気のないヤンキーだったそうです。そんな状況から、なぜこのようなユニークなお店が生まれたのか?どん底から立ち上がった経営手法にも大変興味を持ちました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。