黒坂岳央です。
「忙しくない」人など、世の中にほとんどいない、そのくらい現代人は忙しく動いている。本稿では筆者が取り組んで忙しさを緩和することに繋がったコツを紹介したい。尚、表面的なテクニック(飲み会を減らす、会社近くに引っ越すなど)はすでに多くの人が主張している上、効果が小さいものの寄せ集めになっているものもある。
こういう議論をする場合、小さな時間をかき集めるより、インパクトの大きなものに取り組むことで大きな効果を期待できると考える。そのため、影響度の高いものを3つに絞って取り上げる。
スマホを使わない
何と言っても忙しくなる主要因がスマホで間違いないだろう。世界屈指のIT企業が知恵を絞り尽くして可処分時間を使わせ、集中力を奪い取るための創意工夫と技術の結晶がスマホを通じて提供されるITサービスである。実際、現代人の多くが限られた余暇時間の多くをスマホに奪われている状態だ。
「使うなと言われても、天気予報を調べたりレシピを確認したりとタスクをこなすのにスマホは必要だ」という反論があるかもしれない。そういう人はスマホではなく、PCを使うようにすればいい。
筆者はスマホを持っているが家ではできるだけ触らないようにしており、ほぼPCでタスクを処理している。PCは簡単に持ち運びが出来ないため、目的がある時しか使わなくなる。必然的に時間を潰してしまう行動を大幅に減らすことができるのだ。
忙しい仕事をやめる
多くの人は一日の大半を仕事に費やす。生きるため、そして生きがいのために我々は仕事をする。だが幸いなことに仕事は選ぶことができる。
筆者は正社員の頃は「世の中にはたくさんの仕事があるが、実質的に自分がやれることは極めて限定的だ。正社員の多くはサービス残業が状態化しており受け入れるしかないのだ」という思い込みを持っていた。
しかし、よくよく探してみると今は選択肢が非常に多い時代である。恒久的リモートワークもあるし、正社員だけでなくフリーランサーをやってもいい。正社員職の中でも、よく探せば繁忙期以外は定時退社ができる企業はたくさんある。「今の自分ができる仕事」という軸だけで探すと選択肢は狭まるが、必要に応じて仕事のスキルアップをすれば今より格段に仕事の幅は広げられるのだ。
人によっては21時より前に退社することができない立場にいるかもしれない。フリーランサーでも24時間、顧客からの電話連絡に縛られて気が休まらない人もいるかもしれない。そんな時でも「忙しすぎない仕事」を探す可能性は残されている。
睡眠に投資する
最後に睡眠である。人は一日の3分の1近くを睡眠に当てているが、睡眠は残りの3分の2の起きている間のパフォーマンスを決めてしまうことは意外と意識されていない。つまり、睡眠の質が一日を決めてしまうと言っても過言ではない。ここをなんとかすれば時間は生まれる。良質な睡眠を取るためにはいくつかコツがある。
まずは寝具に投資することだ。若い頃は床に直接寝ることができても、年齢を重ねるとある程度質のいい寝具でなければ睡眠の質は著しく低下する。結果、体を7時間横にしても実質的に3-4時間程度しか眠った気にならないのでは、起床後のパフォーマンスを下げ、時間のムダにつながる。そのため、寝具は予算が許される限り、ある程度コストをかけるべきだ。筆者も普段は質素でシンプルライフを送っているが、寝具にはしっかり投資をしている。
次は食事である。睡眠中は意識が落ちるので気づきにくいが、実は睡眠中も内蔵は活動している。寝る直前に消化に負荷をかける食事をすると、体は寝ていても消化活動が続くため睡眠の質は低下してしまう。特に夕食が肝だ。寝る直前の食事は控え、少食に留め、難燃性の食材は回避しよう。
最後にメンタルである。寝る直前に不安や怒りを煽られるものは見ない方がいい。気になって寝付きが悪くなったり、人によっては夜中に目を覚ますことになる。筆者は夕方以降は通知は意識的に見ないようにしている。見るとあれこれ考えてしまうからだ。日中で仕事は終わりにして、夜はゆっくり過ごすことに切り替えて就寝に備えることを勧めたい。たとえばiPhoneにはおやすみモードがついており、指定した時間になると自動的に通知はOFFになる。これで寝る前のメンタルを健全に保てる。
◇
結論的には「どんな有意義なことをするか?」ではなく、「何に時間を使わないか?」という発想が重要になる。時間を食う活動を減らせばヒマに近づくことができる。上述したことは意識すれば誰にでもできることであり、さらに効果も大きい。人生は持ち時間分しか生きられず、つまり時間とは命そのものである。お金持ちより時間持ちの方がQOLは高まると考えている。参考になれば幸いだ。
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