「何期でも構わない」と“豹変”した保坂区長

世田谷区議会は、3日間にわたる代表質問と一般質問を終えた。ひえしまは、日本維新の会・無所属・世田谷行革110番(維無行)を代表して質問に立った(コチラ参照、50:57から)。

まずは、首長の多選について、保坂区長の認識を質した。区長はこれまで「長年やると上意下達になりやすい」「組織の硬直化や権威化する弊害を招く」などと、否定的な発言を繰り返してきた。そして、「3期をひと区切りと考えて来た」とするものや、「4期は最後の締めくくり」との表明もあり、今期で区長を引退するかのような発言もしてきた(引退するなら、それはそれで結構な話だが)。

しかし、その一方で、区長選に際しての読売新聞のアンケート調査では、「首長の任期は何期までが妥当か?」との設問で、なんと「何期でも構わない」を選択。区民から訝しむ声が上がっていた。

これについて区長の答弁は、「多選の是非は有権者が判断するもの」「首長の任期制限を主張したことはない」などと“豹変”。12年前、颯爽と登場したリベラルの旗手も、保守政治家顔負けの多選病に陥ってしまった。

さらに、任期終了ごとに受け取る退職金についても訊いた(初めに言っておくと、議員に退職金はない。議員年金も廃止されている)。そもそも保坂区長は、選挙の時に「退職金は受け取らない」と公約に掲げ、1期目の任期満了時は受け取らなかった。しかし、その後、「激務と負担に鑑み」受け取ることに。

今回はどうしたのかと問うと、「退職金を受け取らないという公約は掲げていないので、受け取った」とのことだった。正確に記すと、今回は額面1999万3904円から所得税などを控除した1349万7719円の退職金を手にした。羨ましい(笑)。

多選についても退職金についても、初志貫徹して欲しいものだが、やはり人間の意志は弱いのか。さらに、昨今の物価高騰による区民の家計逼迫に思いを致し、私と同じように月額給与の2割分をカットし、行財政改革の覚悟を示すよう求めたが、いつも多弁な区長には珍しく、これについては完全にスルー。と言うよりも、維新の首長の給与カットに嫌味を言っていたので、「身を切る改革」がイヤなのはよくわかった。

今回は、区長が絶賛していた区立中学校で起きた体罰事件も取り上げ、あの「世田谷モデル」についても質問したが、保坂区長からは、役人もビックリの「異例」の長文答弁も頂いたので、これについても後日書きたい。