熟成からすみ「北琥珀」に見る北海道余市の観光戦略

インナーサークル資産設計実践会の北海道スタディツアーは札幌から余市(よいち)に向かいました。ワイナリーの見学、カラスミランチイベントへの参加、そしてサウナ&バーベキューが今回のメニュです。

12時半から開催されたからすみイベントは余市産のからすみをふんだんに使ったランチを味わいながらの贅沢なもので、余市町の齊藤町長に特別にお誘いいただき、13人で参加しました。

その前に訪問したキャメルファームのワインを持ち込ませてもらい、前菜(写真)、サラダ、パスタ、リゾット、デザートまでのからすみ尽くしを味わいました。札幌の有名イタリアン マガーリのシェフを招いての、特別なメニュです。

余市町は、ニッカの余市蒸留所があったり、ドメーヌタカヒコをはじめとするワインの生産でも、今や世界的に注目されるエリアです。30以上のワイナリーがあると言われ、その数も次々に増えています。

ワインに関しては、宿泊施設LOOP(ループ)なども観光資源として活用し、ふるさと納税にも組み入れられて大人気となっています。

ウイスキーやワインに続き次の食のコンテンツとして取り組んでいるものの1つが、今回のからすみです。「北琥珀」という商品名で熟成させたからずみを余市ブランドでプロデュースする試みで、齊藤町長もイベントに登場しました。

日本経済は今後インバウンド需要の取り込みによる観光事業が大きな産業として期待されます。しかし、自治体の取り組みを見ると、ゆるキャラを作ったり、商業施設のようないわゆる「箱もの」建設のような顧客ニーズとズレた戦略性のないものが多いのが現状です。

その中で、余市町の観光戦略はそこでしか得られない食材にフォーカスして、飲食による差別化を狙うという点で戦略的です。ブランディングとマーケティングでグローバルに認知されるという高い目標を設定しています。フランスのブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネ村のような存在です。

今回のからすみに続き、次の食材コンテンツを次々と仕掛けてくるのではないかと期待しています。

ランチイベントが終わると、余市町にある千葉修司さんの別荘に押しかけ、バレルサウナとバーベキュー、そして水上バイクで楽しみました。小雨の中でしたが、爽快な水上バイク体験は最高でした。

実はまた来週も余市にお邪魔してワイナリーを見学することになっています。札幌に戻る帰り道で、余市と東京の2拠点生活も何だか楽しそうだなと思わず妄想してしまいました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年7月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。