河野洋平元衆議院議長を筆頭に、財界人を含めた総勢80名の訪中団が北京詣でに乗り出しました。訪中団には中国政府関係者との交流を通じ日中貿易を活性化を促す目的があります。
沖縄県知事の玉城デニー氏も訪中団員のうちの一人です。玉城氏は中国要人との会談の際は尖閣諸島が日本の固有の領土であることを主張しない姿勢を示しています。
今回の玉城氏の訪中は、習近平国家主席の「琉球」発言とタイミングが被ります。習氏は最近尖閣諸島についてコメントした文脈の中で、中国と「琉球」の交流についても言及しています。
習氏の「琉球」発言が台湾有事の際に日本の参戦を阻むための「対日カード」であるという見方もあります。
米シンクタンクの調査によると台湾を防衛するためには在日米軍基地が活用されることが絶対条件です。つまり、沖縄県政府の抵抗で台湾有事の際に在日米軍基地が機能不全に陥れば、中国の台湾併合の目論見は成功することになります。
中国はこのことを理解しているはずなので、国営メディアまでも活用し、本土と沖縄の分断を煽ろうとしています。
玉城氏は中国訪問中、平和外交を提唱し、沖縄は緊張した日中関係がもたらす緊張とリスクを相殺することを望んでいると語るだろう、と専門家は指摘する。「沖縄の人々は、台湾海峡をめぐる日中間の紛争であれ、釣魚島関連の紛争に起因する紛争であれ、戦争の大砲の餌食になることを望んでいない」。
沖縄は台湾有事の結果を決める地政学的に重要な立場にあります。それゆえ、今回の訪中で玉城氏が中国共産党に懐柔されないかが心配になります。