カストロのキューバはいつも寄生虫となって国家を存続させてきた
カストロ兄弟によるキューバ革命以後、キューバは産業発展の道を歩むのではなく、最初はソ連、その後ベネズエラに寄生虫のごとく吸いついてカストロ体制の維持に務めて来た。先ずソ連が崩壊してキューバ経済は困窮した。その後ベネズエラに反米主義者チャベス政権が誕生すると、それに吸い付いたのだ。
キューバからチャベス政権へ長期維持するための軍事や諜報活動のノウハウ指導や医療団の派遣を提供した。そのかわりにベネズエラから破格の原油の提供を受けた。それを国内消費以外に精製して第三国に輸出するなどして外貨を稼いだ。
しかし、原油価格の下落でベネズエラの経済体制は崩壊。キューバにも原油を十分に提供できなくなっていった。
そこでカストロ体制は米国のオバマ大統領(当時)に接近。米国との関係強化に動こうとした。しかし、その後トランプ、そしてバイデンの二人の大統領の拒絶姿勢によってキューバの発展は再び閉ざされた。
そこで、カストロ体制は産業の進展を図るのではなく、自らの政治体制を維持する為の早道である中国への接近を開始した。中国への身売りである。その代償として、中国から資金支援とキューバの地理的条件を利用して中国がキューバに諜報基地を設けることを受け入れたのである。勿論、その代償として中国はキューバに報酬を支払うことになっている。その金額は数十億ドルと予測されている。
これまでも2015年から2017年までに中国は3億6900万ドルをキューバに融資している(6月26日付「ABC」から引用)。
2019年から中国はキューバを米国諜報の土台にしている
最近になって、中国がキューバに諜報基地を設置することが国際的に話題になっている。しかし、既に2019年から中国は、米国が発信する情報をキューバから受信活動をしていたことが明らかになっている。
キューバは米国フロリダから僅か150キロしか離れていない。しかも、カリブ海周辺には米国の基地が多く点在している。だから、それほど複雑な設備でなくとも米国からの通信は傍受できる体制にあった。
中国が新たに今回設置するのはシギントと呼ばれているシステムで、通信は勿論、メール、電話、衛星通信などをすべて傍受してモニタリングできる体制にすることである。
ロシアは以前から諜報活動を継続していた
中国のキューバでの活発な動きに対して、目立たないのがロシアの動きである。かつてソ連の時代にはキューバは重要な諜報基地であった。ハバナの郊外のロウドゥレスに本部を置いたソ連は、1967年から2001年まで対米国への諜報活動を行っていた。ところが、米国誌「The Insider」によると、2014年からロシアはキューバで諜報活動を再開したことが明らかにされている。
更に、2022年にはキューバの地球物理学・天文学研究所の管理によって天文観測所が開設されたが、そこで設置された望遠鏡はロシアの応用天文学研究所から提供されたもので、大気環境のモニタリングができるようになっている(6月23日付「ディアリオ・デ・クバ」から引用)。
このようにロシアは目立たないが、実はこれまで同様に諜報活動の基地としてキューバを利用して来ているということである。