新宿歌舞伎町の桁違いなカオス

久しぶりに新宿の歌舞伎町に出かけました。話題の東急歌舞伎町タワーの45階に開店したお寿司屋さんに出かけるためです。

カウンターだけの眺めの良い寿司店。三谷出身と思われる親方が、ワインとのペアリングでおいしいお寿司を握ってくれました。

それにしても、しばらく行かない間に歌舞伎町の雰囲気が激変したことに驚きました。

出かけたのは平日の夕方の早い時間ですが、外国人観光客や日本の若者で、街はごった返しています。

特に歌舞伎町タワーに向かう路上には、両側にコスプレをした人たちが整列し、お店の客引きを行っています。アニメ喫茶やガールズバーのようなお店なのだと思いますが、身の危険を感じて彼らに近づくのはやめました。

そんな雑然とした街を通り抜け、歌舞伎町タワーにあるホテルのロビーに入ると、別世界のような静けさです。

45階のお店まで到達するには、わかりにくい入り口から館内に入り、エレベーターを2回乗り継ぐ必要があります。なんとも、時間のかかる動線ですが、お店の人によれば、怪しい人が入ってこないように、わざとわかりにくくしているそうです。

路上のカオスな雰囲気と、店内の静けさのコントラストがアニメの世界のようで、何とも日本的です。会食が終わって帰り道に歌舞伎町タワーを見上げると、映画のワンシーンのような幻想的な雰囲気になっていました(写真)。

街は遅い時間になっても相変わらず騒がしく、夕方以上に身の危険を感じ、早々に退散しました。今回は何の被害もありませんでしたが、治安が悪化していると感じたのは気のせいでしょうか。

東急歌舞伎町タワーの高層階には、東急グループのホテルグルーヴが展開しています。ヒップな高級ホテルを目指しているように見えますが、周辺とのギャップが激しすぎて、想定した顧客は集客できていないように見えます。

お寿司のお店も同じです。港区にあるような客単価4万円を超えるような高級店のクオリティーの高いお寿司が、果たしてこの立地で真っ当に評価されるのか。

カオスな街は、富裕層からは敬遠されるのではないかと、心配になりました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年7月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。