高齢化問題を外国人で解決しようとする「安易な日本」の将来

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総務省が発表した人口動態調査によれば、2023年1月1日時点の日本人人口は1億2242万3038人となり、前年比で80万523人減りました。

全都道府県で人口が前年より減ったのは、調査開始以来はじめてです。

一方で、住民票を持つ外国人の数は299万3839人と過去最大になりました。

外国人を合わせた人口では、東京、神奈川、埼玉、千葉、福岡、大阪、茨城、宮城、滋賀の9都府県で、転入者が転出者を上回る「社会増」となっています。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2067年の日本の総人口の10.2%が外国人になると予想しています。実際にはそれよりも更に高い比率になっていると思います。

人口減以上に問題なのが、働き手の数の減少です。日本人全体に占める15~64歳の生産年齢人口の割合は59.03%となり、今後この比率が下がっていくことが予想されます。

日本はこれから高齢者と外国人が増える国になっていくということです。

外国人の増加で、生活習慣の違いなどから地域でのトラブルが発生したり、治安が悪化するなどの懸念を持っている人もいます。

しかし、それ以上に高齢化による年金制度への影響、社会保障負担の増加、人手不足の方が圧倒的なネガティブインパクトです。

高齢化問題に対する短期的な処方箋はありません。地道に出生率を上げて、将来人口増やしていく方法しかありません。

日本政府もようやく少子高齢化問題の対策に本格的に乗り出そうとしています。しかし、残念ながら日本政府の少子化対策は、将来の増税とセットになっており、ほとんど効果を上げることは無いと予想します。

となると高齢化問題の小手先の対策として、外国人を増やすしか無いのです。そんな安易な政策では、問題を根本的に解決することはできません。

10年後、20年後の日本がどうなっているのか。本当に心配です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年7月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。