投資は狩猟型より「農耕型」を目指しなさい

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ビジネスには、狩猟型と農耕型があります。

狩猟型とは、成果を狙って一発で大きなリターンを狙うビジネス手法です。不動産の仲介ビジネス、投資銀行のM&Aのような取引が典型例で、手数料の高い取引になります。

一方、農耕型ビジネスとは、定期的にフィーが入ってくるサブスク型のビジネスです。スポーツクラブのような会員制のサービスや電気・ガス・携帯のような継続的なサービス提供がその典型になります。

確かに、狩猟型ビジネスは当たれば大きなリターンですが、常にゼロベースで収益を上げなければいけません。今月大きな成果があったとしても、来月からはゼロからまたビジネスチャンスを探さなければいけません。

また、環境の変化に成果が大きく左右されます。マーケット全体で取引が減れば、収益も上げにくくなります。

これに対し農耕型は、一旦サービス利用者を獲得すれば、そこから安定した定期収入を得られる可能性が大きくなります。

つまり、農耕型ビジネスの方が安定しているということができるのです。

これは投資でも同じです。

個別株式の値上がり益を狙ったり、暗号資産に集中投資をしたりするのは、キャピタルゲインを狙う狩猟型の投資です。

不動産や太陽光発電のような定期的な収入を得るのはインカムゲインを狙う農耕型の投資です。

2つを比較すると、農耕型投資の方が狩猟型投資より安定しています。

確かに、株式投資や暗号資産は銘柄とタイミングが良ければ、短期間に莫大な利益を得ることができます。

しかし、マーケット環境に左右され、市場全体が低迷していると、その中で収益を上げ続けるのは簡単ではありません。

不動産の賃貸収入や、太陽光の売電収入は景気変動にはあまり影響されません。またインカム収入を狙う債券投資も満期まで持ち続ければ所定のリターンを着実に得ることができます。

投資によって安定した収益を得たいと思うのであれば、キャピタルゲインよりインカムゲインを重視すべき。これは少し考えれば誰でもわかることです。

農耕型の投資は地味で時間がかかるものです。面白みに欠けるのかもしれませんが、投資の目的は楽しむことではなく、リスクを抑えて資産を増やしていくことです。

ビジネスも投資も最終形は農耕型から不労所得を得られるようにするのが理想です。

狩猟型投資をしたいと思うのであれば、農耕型投資で安定したリターンを確立してから始めても遅くはありません。

9月2日のこちらのイベントではどうやって安定した不労所得を手に入れるかについてお話したいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。