こんにちは、医師&医療経済ジャーナリストの森田です。
いよいよ9月20日から、秋のコロナワクチン追加接種が始まります。
「前回の接種からだいぶ時間が経ってきたので、そろそろ打つべき?」
とか、
「接種券が来たら打たないとね〜」
とか、
色々お考えかと思いますが、果たして今回のコロナワクチン、今までと同じに考えていいのか? いままでと何か変わっているのか? で、結局打つべきなのか?
今回は、その辺の基本的な情報の整理をしてみたいと思います。
どんなワクチンなの?
まず、今回打たれる予定のワクチンが、どんなワクチンなのか見ていきましょう。
今回予定されているのは、
オミクロン株の派生型のXBB系統に対応する二価ワクチン(従来株と新株の両方に対応するワクチン)
ということです。
新しい株に対応しているなら安心!
と考えるか、
新しい株に対応しているということは今までと違う新しいワクチンということ(前回もそうだったけど)。新薬は不安!
と考えるか…そこは取り方次第ですが。
接種すべき人は誰?
ここは少し複雑です。
というのも、
・接種対象
・努力義務・接種勧奨の対象
が違うからです。
・接種対象は「生後6か月以上のすべての人」です。
一方、
・努力義務・接種勧奨の対象は「高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い人」のみ
となっています。
つまり、国としては、
「生後6ヶ月以上の全ての人を接種可能(無料接種)とするけど、高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い人だけに推奨するので、元気な若者はどうするか自分で決めてね」
ということですね(ちなみに、これまでは生後6ヶ月以上のすべての人が接種対象でもあり、努力義務・接種勧奨の対象でもあったのでした)。
分かりにくいけど、そういうことです。
ちなみに、無料の接種券が送られて来るのか?については、各自治体の判断に任されていますので、ここではなんとも言えません。
小児科学会は依然、「推奨」
一方、日本小児科学会はこう言っています。
日本小児科学会としての推奨は変わらず、生後6か月~17歳のすべての小児に新型コロナワクチン接種(初回シリーズおよび適切な時期の追加接種)を推奨します。
国は「赤ちゃんも子供も打っていいけど、推奨は外す」と言い、でも学会は「推奨」のまま。
専門家でも意見が割れている、ということでしょうね。
普段医療にあまり関わりのない市民のみなさんが迷うのは当然のことだと思います。
世界のワクチン事情は?
で、今回のワクチンどうすればいいのか。
それを考えるのに参考にすべきは、現在の世界のワクチン事情でしょう。
WHO
まず、世界保健機構WHOはどう言っているのか確認します。WHOはこう言っています。
- 最も接種を優先すべき対象は、高齢者、重い併存疾患がある成人、免疫不全の人、妊婦、医療従事者
- 健康な成人は1回の追加接種は推奨するものの、2回目以降の追加接種は、公衆衛生上の効果が比較的低いとして「推奨しない」
- 生後6か月から17歳の健康な子どもについてはワクチン接種の優先度はさらに低い。ワクチンは安全で効果はあるものの、感染したとしても負担が軽いことから、接種は費用対効果などにより国ごとに判断する
WHO 新型コロナワクチンの接種指針改定 健康な成人「追加接種を推奨しない」
上記記事の元になっているWHOのホームページ
なるほど、日本人は多くの人が既に追加接種(3回目)を受けていると思いますので、健康な成人の方々であれば、今回の秋からの接種についてはWHOは「推奨しない」、ということですね。
では、その各国の対応はどうでしょう?
アメリカ
では、ファイザー・モデルナのお膝元で世界のリーダー・アメリカはどうでしょう?
アメリカのCDCはこう言っています。
- 新型コロナウイルス感染症ワクチンは安全、効果的、そして無料
- 6か月以上の人は全員、最新の新型コロナウイルス感染症ワクチンを受けるべきです
では、実際にアメリカ人はどれだけワクチンを接種しているのでしょうか?
それがこちら。
データが去年で止まってしまっているのですが…日本人と比較するとだいぶ打ってない感じですね。
というのも、もっとよく見るとCDCも日本ほどには追加接種を勧めていないんですよね。
- 6歳以上のすべての人はワクチンを初回接種(1回・2回)する必要があります。
- 65歳以上の人は3回目の追加接種を受けることができます。
- 免疫不全状態にある人は追加接種を受けられます。
- 生後6か月~5歳の小児は状態により少なくとも1回接種を含む、複数回の接種が必要な場合があります。
日本の高齢者が5月から6回目の接種を受けていたのと比べると、かなり差を感じます。
アメリカの友人などに聞いても、コロナやワクチンのことは街ではもう殆ど話題に上らない、ということですので、まあ、そんな感じなのでしょう。
イギリス
ついでに英国も。
英国では秋からのコロナワクチン接種対象を「50歳以上」から「65歳以上」に変更しました。
英国 新型コロナワクチンの対象を65歳以上に 保健当局「重症化リスク高い人に焦点」
もちろん免疫不全などの基礎疾患のある方も対象ですが、基本的に「健康な若者」や「小児」は接種対象にすらなっていないので、特殊な事情がない限り彼らはワクチンを接種しないということでしょう。
変わったのは空気
では、世界のコロナワクチン接種状況を見てみましょう。
先進20カ国(G20)で見るとこんな感じ。
日本(と英国)がダントツで接種していること、そして世界ではここ1年以上、コロナワクチンがもう殆ど打たれていないことが良くわかります。
(なお、このグラフには日本の5月からの6回目追加接種は含まれておりません。6回目は既に1000万人以上が接種しているので、そこが入ると更にJAPANが伸びて人口100人あたり150回以上で更にダントツの追加接種数となっているはずです。)
また、ワクチンの効果もさることながら、マイナス効果の方も徐々にクローズアップされてきているところです。
これまでワクチン接種に積極的だった日本医師会も、この度「副反応が強く出た人は接種は慎重に」と発言。注目を集めました。
事実、厚労省には約2000人以上がワクチン接種後に亡くなったと報告されています(その殆どは因果関係は「判定不能」として処理されていますが)。
報告例では2000人ですが、死亡統計を見るとさらにびっくり。なんと日本では、ワクチン接種を始めた2021年から総死亡数が増加し、2022年は戦後最大、東日本大震災を上回る約15万人も死亡数が増加しているのです。そしてその死亡数増加(超過死亡)は、ワクチン接種のたびに発生しています(なお、コロナによる死亡数はこのうちごく一部でほとんどの方が「コロナ以外による死亡」です)。
こうしたデータが出ていることを知っているからか、はたまた臨床現場での患者さんの動向を敏感に感じているからか、現場の医師たちも続々と接種をやめています。
m3.comの調べでは、全ての医師の約4割が今回のコロナワクチン追加接種を希望しないと答えています(若手医師に至っては過半数が希望せず)。
ワクチン開始当初はほぼすべての医療従事者が接種していたことを考えると、医師の中でも空気感がかなり変わってきていると言えるでしょう。
まとめ
以上をまとめるとこんな感じでしょうか。
- 国は接種対象を「生後6ヶ月以上のすべての人」としている
- ただ、推奨するのは「高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い人」に限定した。
- 一方、小児科学会は依然として小児の接種を「推奨」している。
- WHOは健康な若者には追加接種を「推奨しない」、小児はより「推奨しない」
- 世界では(ワクチン開発国アメリカでも)ここ1年ワクチン接種はあまり進んでいない。
- ワクチンのマイナス効果も徐々に判明してきて、日本の若手医師も半数は接種を希望せず。空気が変わってきている。
さあ、秋からのワクチン接種、どうしますか?
接種券が来るのか、来ないのか、それすら分からないのが現状ですが、少なくとも「接種券が来たから受ける」のような受け身の姿勢ではなく、積極的に情報を得て、自分で納得したうえで判断するのが良いのではないでしょうか。