救急車がフル出動でパンクはどうして起きるか?統計をじっくり見てみた。

救急車の出動が多くて死にそう?

すわ、コロナ!!とかコロナ脳的な方は言うわけですが東京都の重症ベッドは

78人で割とスキスキですが第8波の時はピークは55人でしたのでちょっと多い。実はデルタの時は陽性はいまよりずっと少なかったのにピーク時は重症は300人くらいいたのです。しかも高齢者はワクチン済みでほぼ罹患しなかったので40〜50代のおっさんばかり。ワクチンが高齢者に間に合わなかったら数千人の重症者でマジでパンクしていたはず。コロナはデルタまではマジで恐ろしい病気だったんだよ。

救急車をタクシー代わりに使うケースは大変に多いと言われており、なかには「蚊に刺されて痒い」とかまでいるそうです。高齢者施設で入居者の移転や入院の時に呼ぶケースも大変多く、さらに生保受給者が頻繁に呼ぶという話を救急隊の人がツイートしていました。
日本の救急車「誰でも無料」世界でも異例 悪質利用年々増加「タクシー代わり」約半数 年間50回以上の利用者も

「大した症状ではないのに救急車を要請する人はたいへん多いです。私たちは要請があれば原則として出動しなくてはなりません。ひどいケースでは救急車で病院に搬送したあと、『帰りも送ってくれるんでしょ?』『連れてきてくれたんだから帰りも送ってよ!』など言われることもあります。

平成4年の消防庁のデータを調べてみた

「令和4年中の救急出動件数等(速報値)」の公表

今年は特に熱中症が多く、7月の集計では36,549人。8月はもっと多かったでしょう。

まず救急車の出動件数ですが

コロナが日本に入ってきたのは2020年で、令和2年。それまでは救急出動件数はどんどん上がっていたが、コロナで緊急事態宣言だの行動規制だので実は相当減りました。デルタの令和3年も緊急事態宣言が頻繁に出たから出動は減少。が、オミクロンが第6波になったのが令和4年でそのときに第7波と救急出動が爆発したわけですよ。ちょっと熱があるだけなのに怖がって入院したいと救急車呼びつけたりする事例が話題でした。

誰が救急車を使ってるの

これを見たら驚きますぞ

平成14年(2002年)には4割しかいなかった高齢者の搬送が、20年後の令和4年には62.1%とほとんどが高齢者になってしまった。

つまりここでも

救急車のコストはほとんど高齢者

みたいになったわけです。高齢者の増加がこうなんだから当たり前。

なんかもう、我々本当に高齢者のために生きてるようなもんですよね・・・・

しかしこれからも高齢者は増え続け、団塊の世代はあと数年で80歳を超えてきますから、救急車の数はいまのままでは絶対に足りなくなり、交通事故や新生児の救急時に運べないという確率が上がってきます。高齢者は長く生きて老い先短いからまだいいとして、若い人や子どもがされで手遅れになったらたまりません。

どの程度で救急車を呼んでいるのか・・・・

見たら驚きます。

約半数が、外来診療で「はいはい、もう終わりました」の軽症

もう1点。搬送件数を県民数で割って、どこの県が気軽に救急車を呼んでいるのか試算してみます。全部やるのは面倒なので数が多いところから。

県民数÷出動件数
・茨城 149,325
19人に1人
・群馬 101,397
18.8人に1人
・埼玉 415,583
17.6人に1人
・千葉 382,347
16.4人に1人
・東京 877,900
16人に1人
・神奈川 568,186
16.2人に1人
・新潟 112,235
19人に1人
・大阪 653,055
13.4人に1人
・広島 148,528
18.5人に1人
・福岡 292,050
17.5人に1人
と、てっきり大阪あたりが一番救急車呼んでいるのかと思ったら大阪は少なかった。ごめんなさいね。だいたいどの都道府県も大差ない。茨城、群馬、新潟、福岡あたりが多く、コロナとはあまり関係ないように見える。献血用の血液で検査した抗N抗体保有率。つまりコロナに罹った人の比率。一番罹患した大阪はたいして救急車を呼ばず、罹患率が低い新潟が救急車を呼んでいるわけです・・・

交通事故がどんどん減って、代わりに急病が増えているのがわかる。高齢者の増加によるものでしょう。

救急車を有償にして利用件数を減らさないとシステムが持たない

救急車の出動件数はコロナに関係なくどんどん増え続けていた。そして軽症の比率はずっと変わらず半分が軽症だ。

国の収支は破綻寸前だから救急車を増やせと言っても無理。であれば利用件数をいまの8割程度に落とさないとこのペースで搬送数が増えたらすぐに破綻する(もしかしたらもう破綻しているかも)のは明確だから、大至急で決めないといけない。この増加ペースならコロナが無くてもどうせ破綻してました。

対策としては

有償化する

しかない。救急車を呼んだら電話口で「有料になりますがよろしいでしょうか」と言えば、蚊に刺されたとか下痢だとか言うレベルなら「じゃあいいです」っていうでしょう。タクシーより高くないとタクシー代わりに使われるのは変わらないので、5000円〜10000円(原価は5万円超えているそうだ)が適当だと思います。軽症だったら金を取るみたいなのは誰が判定するのかで絶対にトラブルになるから無理でしょう。金額はきちんと専門家が調査したらいくらくらいが正当なのか予測できます。命に関わるならそれくらい払うでしょうよ。

政府与党は大至急、これを決めてほしいんです。どうせ左派政党はまた騒ぎ立てると思うが、はっきりと「このままでは救急車システムが崩壊する」と言うしかない。やるかやらないか、先送りはもう無理だと思います。

実は上海で放射線量計ったら東京の976倍。実は中国の建築資材はめちゃ放射能に汚染されているというのを見まして、Amazonで線量計買いました。安くて評価がよくて、充電できるタイプで小さいヤツ。おもちゃと思えばよろしい、これでいろんなとこを計りたい。特に海外で計ってみたい。みなさんも是非!!中国出張の時に計ってSNSに投稿したら絶対バズりますよ。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2023年8月31日の記事より転載させていただきました。