黒坂岳央です。
中国の人気のインフルエンサーが生放送で視聴者の発言に反撃するような発言で炎上した。
「給料が上がっていないのはあなたの責任だ。真面目に働いていないのでは?」という発言が問題となり、「真面目に働いても給与が上がらないのが現実だ」と視聴者から返され、涙ながらに謝罪をするまでに追い込まれた。
メディアのコメント欄は「成功が彼から初心を忘れさせた」「現実が見えていない」と激しい反発が続いたが、「成功する人はみんな努力しているので、普通の人が努力不足に感じるのは当然では?」という意見も少数見られた。
こういう炎上は度々どこの世界でも起こっている。たった一言がその後の人生を変えてしまう大きなマイナスになることは少なくない。このニュースから学べることは「思ったそのままを発言してはいけない」ということである。
失言はプロ意識の欠如
この件について、実際にはインフルエンサーのいうことは正論だと擁護する声も見られる。もしかしたら本人は内心、「自分は正しいことをいっているのに、なぜ理解されなかったのか?」と不満を感じているかもしれない(これは想像に過ぎないが)。しかし、問題は発言の筋が通っていたかどうかではない。大変厳しいようだが、結果として視聴者にそっぽを向かれた時点でプロの演者としては完全に敗北なのである。この場合、頭に浮かんでも言葉に出さずに終えるべきだっただろう。
ビジネスのプロの立場として、自分の視聴者の感情は正確に理解しておく必要がある。もちろん、全員に尻尾を振って媚びなさいというわけではない。中にはまったく属性が合わない人もいるだろう。しかし、自分を支持するサイレントマジョリティーが何を求めているか?これが見えなくなると、癇に障る発言が出て炎上へと繋がってしまう。
日本でも似たようなことは度々起きている。我が国は言論の自由があり、意見は好きに言っていい。法的には確かにそうなのだが、現実的に好き放題発言するとビジネス界に居場所がなくなってしまう。
だからお客さんから求められていること以外は徹底して「しない、言わない、見せない」これがプロ意識である。
無編集で話してはいけない
職場でも起業した後でも、「親しき仲にも礼儀あり」という言葉通り、どれだけ親密な相手でも、頭に浮かんだネガティブな感情をそのままを話すべきではないと考えている。ポジティブなものは問題なく、むしろドンドン出した方がいい。しかし、内容が攻撃的、負の感情については言葉に出さない、もしくは出すにしても編集して毒素を抜いた上がいいだろう。
「そんなの窮屈だ」と思われるかもしれないが、相手が嫌な表情を出していなくても内心では「この人はナシだ」と思われたら、知らぬ間に関係性は終わる。特にビジネスにおいては失言があっても、その場であからさまに嫌な顔をする訳にはいかない。ハッキリと「今の発言はよくないと思いますよ」などと教えてくれる人はいない。
だから「これまで好きに話してるけど、何も問題は起きていない」という人は、相手が利害を優先して我慢してくれているだけか、すでに関係性をフェードアウトするステージへと移っている可能性がある。
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「何を言えるかが知性で、何を言わないかが品性」という言葉通り、言論の自由だからとなんでもかんでも言いたいことを発言し、相手から嫌われる人は品性への理解が高める必要がある。もっとも、大人になると指摘する人がいなくなってしまうので、大きな問題になるまで本人が気づくことは大変難しいのだが。
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