歴代総理と岸田新内閣閣僚の学歴:低学歴国家日本の悲劇

歴代総理より一流企業の総合職のほうが高学歴…日本の政治家が「海外では考えられない低学歴」になったワケ 「東大法学部卒の総理大臣」は30年間いない』という記事をよそで書いたので、ご覧頂きたいが、ここでは、その要旨と新しい岸田内閣の面々歴代内閣と比較して分析してみよう。

歴代総理より一流企業の総合職のほうが高学歴…日本の政治家が「海外では考えられない低学歴」になったワケ 「東大法学部卒の総理大臣」は30年間いない
政治家にはどんな学歴が求められるのか。評論家の八幡和郎さんは「先進国の指導者の多くが輝かしい学歴の持ち主だが、近年の日本の総理大臣はそうではない。国内トップクラスの学歴と知力と専門知識、そして高度な国際経験を持つ人材が指導者でなければ、あらゆる分野で世界の最先端から遅れてしまうだろう」という――。

「先進国の指導者の多くが輝かしい学歴の持ち主だが、近年の日本の総理大臣はそうではない。国内トップクラスの学歴と知力と専門知識、そして高度な国際経験を持つ人材が指導者でなければ、あらゆる分野で世界の最先端から遅れてしまうだろう」という要約がついているのだが、その通り。

ヤフコメを見ていても、「学歴なんかどうでもいい」と言う人がいるが、それに対して「それなら大学行く意味がそもそもないということになる」という反論もあったが、その通り。

一国の指導者が学識が無いなんてありえない。本稿では、戦前からの総理の学歴と、外国の指導者たちの学歴も合わせ分析している。

フランス、イギリス、アメリカの部分を抜き出すと以下の通り。

フランスは、エリート官僚養成校であるENA(国立行政学院、現在は改組されてINSP)出身者が、ジスカールデスタンからマクロンまで6人の大統領のうち4人を占めている。例外はいずれも弁護士出身のミッテラン(ENA設立以前の世代)とサルコジ(ENAの登竜門であるパリ政治学院を終了できなかった)だけだ。

英国では、サッチャー以降の9人の首相のうち、7人が「THE世界大学ランキング」7年連続1位のオックスフォード大学卒で、例外は高校中退のメージャーとエディンバラ大学歴史学科のブラウンだけ。

米国では、大学より大学院が問題だが、平成以降に就任した6人の大統領のうち4人(ブッシュ父子、クリントン、オバマ)が、エリート校であるハーバード大学、イェール大学や大学院に何らかの形で在籍していた。例外は、トップクラスのビジネス・スクールであるペンシルベニア大学ウォートン・スクール出身者のトランプと、中の下クラス(小室圭氏のフォーダム大学より下位に位置づけられる)であるシラキュース大学ロースクール出身のバイデンだ。

岸田新内閣の閣僚と学歴

今回の新しい岸田内閣の閣僚を、最初に入った大学で見てみると、東京大学5、早稲田大学5、慶応大学4、神戸、聖心女子大、専修、東海、東工大、明治が1人である。

ただ、河野太郎は慶応を中退してジョージタウン大学卒であり、上川陽子、伊藤信太郎、加藤鮎子は米国の大学院に留学している。

第2次岸田第2次改造内閣 首相官邸HPより

これを、過去の内閣のうち、第一次小泉内閣、菅直人内閣、第二次安倍内閣と比較してみると、以下の通り。

第一次小泉内閣は、東大5、慶応4,早大3、一橋2、防衛大学校、三重、それに宝塚音楽学校1。

菅直人内閣は、東大6、早大3、京大2、慶応2、青学、神戸、上智、中央、東工大が1人。

第二次安倍内閣は、東大7、早大3、慶応、成蹊、上智、玉川、東京水産、日大、法政、明治、立教が1人だ。

こうしてみてみると、小泉内閣で慶応が、岸田内閣で早稲田という総理の母校が優遇されていることは歴然としている。

東京大学は5人以上で安定。いわゆる地方大学は、ほとんど例外的にしかいないことがわかる。