大人なら自分の機嫌は自分で取りましょう

黒坂岳央です。

会社員の頃、上司の決裁を取るタイミングをはかるのがいつも面倒に感じていた。「部長は月曜日の朝は機嫌が悪いから、出すなら金曜日の午後がいい」と直属の上司から言われ、本来はすぐに提出して次の仕事にかかりたいのに提出するのをぐっと堪えるということがあったからだ。

今の立場は上司がおらず、人間関係は比較的良い人ばかりに恵まれているのでご機嫌を取らなければいけない機会はなくなって快適である。もちろん、自分が他人から機嫌を取ってもらうようなことがあってはならないと、気をつけている。

世の中は大の大人なのに、機嫌を他人に取ってもらっている人がいる。だが、他人に甘えてばかりだと人が離れていく。自分の機嫌くらい、自分自身で取るのが大人だと思うのだ。

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自分自身のご機嫌取りをうまくなる

イライラすることがあると周囲に撒き散らしてしまう人は多い。これは自分自身のご機嫌を取る方法が分からないからで、他人に甘えてご機嫌を取ってもらっている状態である。自分自身でご機嫌を取る方法を知っておくと捗るだろう。

まず知っておきたいことは、人間の感情は長続きせず、簡単にひっくり返るということだ。たとえばこちらが挨拶をしているのに、相手が挨拶を返さない場合はイライラしてしまうという場合でも、相手が単に気づいていなかっただけだとわかったり、次回は相手が笑顔で挨拶してくれたなら、感情はオセロのように一瞬で怒り→安堵や喜び、に変わる。また、上司に叱られてイライラしている人も、帰宅しておいしい食事と趣味で楽しくなってしまえば、怒りも吹き飛ぶということが起きる。

つまり、イライラすることがあっても上手にごまかす兵法を心得ておけば、不機嫌な表情で周囲を困らせることはなくなるのだ。自分はご機嫌が危なくなった時は、好きなゲームや漫画などの楽しい時間で「上書き保存」するようにしている。

今は育児をする上で子供がなかなか寝てくれず、就寝時間が過ぎてしまうタイミングについイライラを出しそうになってしまうが、そんな時は子供を夜のドライブに連れて行くようにしている。都会と違って夜の田舎道は静寂と闇に包まれており、15分も走れば後部座席から子供の寝息が聞こえてくるし、自分もドライブで気分転換ができてスッキリするので「最後の手段」でやっている。

自分自身のご機嫌取りが上手になれば、他人に気を使わせることがなくなる。大人なら自分自身のご機嫌取りが上手になっておくべきだろう。

思考を変えて対応する

自分自身のご機嫌取りは、すでにあちこちで色んな人が「自分にご褒美を与える」などの解決法を展開している。自分なりの持論をいうなら「思考を変えて対応する」を勧めたい。

イライラすることがあったら「今自分がイライラしている問題や課題、1年後、10年後も覚えているだろうか?」と自問するのだ。ほとんどのイライラ原因は些細なことである。1年後どころか、3日後には忘れてしまうことも多いだろう。そんな小さなことで人生をイライラ過ごすのはもったいない!という考え方である。

社会にはイライラする人がたくさんいる。もしかしたら、本人にはイライラするのも無理からぬ事情があるかもしれない。だが厳しいことをいうと、他人に機嫌を取ってもらうようでは精神は未熟な子供と言わざるを得ない。イライラを撒き散らされる周囲には迷惑でしかなく、仕事をする上でこれをされると組織全体の労働生産性の低下にもつながるからだ。大人なら自分のご機嫌くらい自分で取れるようになってもらいたいものである。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。