晴海フラッグの致命的な問題はタクシー?

晴海フラッグの内覧会に出かけました。自分が住む部屋の内装のチェックを行い、共用部分や駐車場等の利用方法の説明を聞きました。

敷地内の学校やタワーマンション、商業施設などはまだ建設中で、急ピッチで整備作業が進められています。

まずは物件の室内に入って担当者と一緒にそれぞれの場所の仕上がりに問題がないか順番に確認をしていきました。

海外のマンションとは異なり、内装はとてもきれいに仕上げられていました。この手の職人的な仕事は日本人の得意分野です。屋外のテラスの一部に小さな不具合がありましたが、次回までに対応してもらえるということで問題はありません。

ただ、内覧会ではいくつかのことが気になりました。

まず全体的なグレード感です。都心にある高級賃貸マンションと比べると、若干高級感に欠ける仕様です。まあ、坪単価300万円という購入価格を考えれば贅沢は言えません。

また、敷地内の商業施設はサミットストア、ダイソー、マツモトキヨシなどが既に看板を出していました。果たして、セブンイレブンやスターバックスは出店するのか?こちらも固唾を飲んで見守っています。

逆に都心にはない魅力もありました。敷地内には緑が豊かに配置され、今後さらに公園のスペースも増えるそうです。

海からは気持ちの良い風が吹いており、臨海エリアの住環境は意外に快適です。部屋からは海とレインボーブリッジが一望できるのも、湾岸物件ならではの特権です。

都心への交通アクセスに難があると言われる晴海フラッグですが、虎ノ門ヒルズから晴海までBRTで約15分。渋滞もなく近くのバス停まで到着しました。BRTの敷地内への乗り入れが始まり、運行頻度が十分に確保されればアクセスは悪くありません。

実は一番気になったのは、敷地内にタクシー乗り場がないことです。

雨の日や時間に余裕がない場合、タクシーを利用することになると思いますが、果たして思い通りに利用することができるのでしょうか?

地下にある駐車場にタクシーも入れるようにすれば、雨に濡れずスムースに利用できますが、その実現性はゼロでしょう。しかし地上で乗るとすると雨に濡れてしまい、特に子供連れや高齢者にはストレスがかかります。

もしかしたら、晴海フラッグの致命的な問題点はこのタクシーの利便性かもしれない。そんな不安が頭をよぎった内覧会でした。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年9月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。