「成長の果実」を受け取るには「日本脱出」しかない

今回スタディーツアーで出かけたフィリピンで感じたのは「日本リスク」です。

日本に住むことには低コストで高いクオリティーオブライフを実現できるメリットがあります。その一方で、資産形成面では低成長のマイナス面をモロに受けることになります。それを防ぐためには日本脱出しかありません。

日本脱出といっても、日本から海外に移住する必要はありません。

自分が働くのであれば、自分自身が海外で生活する必要がありますが、お金に働いてもらうのであれば、お金を海外で運用すれば良いだけです。

例えば、海外不動産を購入するといった方法です。

私が8年前にフィリピンで購入した不動産(写真)にも視察する機会がありましたが、価格が2倍になっていました。

しかし、この間に私がやった事は何もありません。ただ、不動産を購入して放置しておいただけです。

不動産という形でフィリピンにお金を置いておいたことで、そのお金がフィリピンの経済成長を享受し、長期で資産を増やしてくれたのです。

1970年代の日本の高度経済成長期には、日本の不動産を持っているだけで、誰でも資産が増えていったのと同じ話です。

もし日本の銀行預金にお金を入れていたら、資産はほとんど増えなかったことでしょう。

成長の果実を受け取るためには、お金に成長する海外で働いてもらうのが1番です。

新興国ですから、短期的には経済変動や政治的なリスクが高いかもしれません。しかし、長期で得られる経済成長と言うメリットはとても魅力的です。

資産には海外で働いてもらい、稼いでもらったお金で国内のメリットを享受する。

私は「日本脱出」が必須だと思いますが、それは資産だけ。私自身は日本の充実した生活をとことんエンジョイしようと思っています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年9月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。