愛子さまが佳子さまに憧れられることを批判する報道

昨日紹介したPRESIDENT Onlineの『佳子さまの「ご両親との別居」は無駄遣いなのか…「わがままプリンセス」批判は誤解であるこれだけの理由上皇陛下は佳子さまの「気遣い」を評価』という拙稿のなかでは、「愛子さまにとっては“姉”であり、憧れの存在」という項目を設け、そのなかで、次の用に書いた。

佳子さまと愛子さま NHKより

「21歳になられた愛子さまも、仕草などを含めてすっかり美しくなられたが、姉のように慕い、憧れの対象である佳子さまから刺激を受けられたのが一因だろう。佳子さまの公務に対する積極的な姿勢についても、これからよき模範とされると素晴らしいことだ」と書いた。

そうしたところ、女性セブン2023年10月12・19日『皇后雅子さま憂慮 愛子さま「佳子さまに傾倒されて』という記事を書いている。

「愛子さまは幼い頃から佳子さまを慕い、佳子さまもまた、愛子さまのことを実の妹のように大切にされてきた、おふたりの夢寐付きは、国民の想像以上に強いだろう。しかし、愛子さまが成年されたことにより、雲行きが怪しくなっており、」というリードだ。

つづいて、両陛下と愛子さまが『日本伝統工芸展』を勧奨されたときに、日本工芸会の総裁を務められる「佳子さまが横に並ばれた途端、愛子様の表情がパッと輝き、愛子さまは佳子さまの説明にうれしさを隠しきれないご様子で目を細められ何度も佳子さまの方に目を向けられた、佳子さまへの揺るぎない信頼が窺え、『愛子さまにとって佳子さまは、憧れの存在なのでしょう」と宮内庁関係者の発言を紹介している。

また、愛子さまが雅楽の演奏会に佳子さまが出席されると聞いて滅多に外出されなかった愛子さまが自ら出席を希望されたこと、子どものころから佳子さまの部屋で遊ぶことを好まれたこと、佳子さまに習ってフィギュアスケートを始められたことや、髪型やファッションを真似られていたことなども紹介している。

こんな麗しい話はないのだろうが、さんざん佳子さまへの誹謗中傷を繰り返している週刊誌としては、居心地が悪いのだろう。

では何が困るのかというと、結婚して皇室を出たいという佳子さまに影響されて、早く結婚したいと思われることらしい。それは雅子さまにとって不都合だというのである。また、佳子さまのジェンダー思想に影響されて、愛子さまが天皇になりたいとか考えられてもたいへんとかも書いている。

さらに、雅子さまが秋篠宮家への批判を承知し、「以前のように愛子さまが佳子さまに憧れられていることに、不安を覚えずにはいられないでしょう」と、いうのである。

佳子さまは自立心旺盛で、少し短気だとか自分の意見を曲げないのは確かだが、それが愛子さまや悠仁さまに対するリーダーシップをとれる力になっていることは、私の記事でも指摘したところだ。

愛子さまが大学三回生まで全くといっていいほど登校されなかったとか、成年の記者会見を四ヶ月も先延ばしにし、単独公務をいつになっても始められないことなど決して褒められたことではない(大学に通学しないことが親孝行で立派だと褒める愛子さまファンの存在などいちばん陛下が迷惑に思われているだろう。陛下は学問以外の学生生活の大事さを記者会見で何度も繰り返し指摘されている)

ただ、それは、愛子さまの完璧主義の発露のようだ。もしも両親に病気をうつしてはいけない、慣習的に決められた時期を遅らせても完璧な記者会見をしたいということもある。

それと同時に、佳子さまのように自立した女性として颯爽と振る舞いたい、同じように美しくありたいというのは愛子さまにとって目標として佳子さまがあるのは素晴らしいことだ。

愛子さまが皇居の葡萄間という天皇ご一家のための専用歯科治療室で歯列矯正をされたと『女性自身』(電子版2023/08/29)にあるが、皇室外交という観点からもプリンセスが美しくなろうとすることは良いことで批判すべきでない。

美智子上皇后陛下が気を抜かない心配りで、常に優雅に振る舞われたことも称賛すべきことだし(皇室は国の顔なのだから一般人についてのルッキズム批判と同じ基準で論じるべきでない)、佳子さまはいろんな側面で美智子さまのなさりようを引き継がれていると思う。

そして、愛子さまが最近、すっかり美しくなられたというのも、何も自然にそうなられたのでなく、佳子さまという目標があることが良い方向に作用している。

その意味で佳子さまへの訳の分からない批判をいちばん悲しまれているのは愛子さまだろう。

また、佳子さまが自分より贅沢な生活されているはずもなく、自分もいつか同じように攻撃されるのでないかと不安にも思われているだろうし、それがさまざまな活動を躊躇される原因になっているかもしれない。

いずれにせよ、上皇ご夫妻の二人の孫の仲の良さを引き裂こうという報道によいことなど何もあるまい。