武見敬三厚生労働相はフジテレビの報道番組で、会社員らの配偶者が保険料を払わずに基礎年金を受け取れる第3号被保険者制度の見直しの必要性に言及しました。
3号に加入する人のうち7〜8割が働けば「(見直しの)議論がしやすくなる」「配偶者手当は廃止し、基本給や子供手当という形で出してもらった方がわかりやすくなる」とも話しました。
専業主婦などの第3号被保険者は、保険料を納付せずに国民年金や健康保険の給付を受けられるため、単身や共働きの会社員世帯からは「優遇されすぎている」という批判が強まっています。
■
保険料の上乗せが欲しい医師会と、3号被保険者への優遇措置に懸念を示すサラリーマンの組合とで思惑が一致しました。
しかし、窓口などでの「自己負担増」という改革の本丸への道はまだまだ遠いようです。
社会保障制度や税制を働き方に対して中立にすることは重要な論点となっています。
平等とは何か、サラリーマンとは何か、専業主婦とは何かということも再考すべき時が来ているのかもしれません。
若い世代からも専業主婦論争は奇異に映っていたようです。
日本では都合の良い個人主義が跋扈してしまいました。
3号被保険者の議論に限らず、われわれ日本人は「健康欲」「長生き欲」と折り合いをつけないと、いくらでも収奪される未来が待っています。