初対面の人に名刺を渡さないのは失礼なのか?

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最近、名刺を持ち歩く習慣をやめました。

たくさんの初対面の人が集まるイベントなどに出かける時も、基本は名刺を持たずに参加しています。

初対面の方から名刺を出されても「すいません。名刺を持ち合わせていないので」と言い訳のようにお話しています。

ただ、お堅い会社やお役所などに出向いて、こちらから何かをお願いするような場合は、さすがに名刺を持参して交換します。

私の場合、名刺交換してもその名刺をその後活用する事はほとんどありません。せっかく頂いた名刺は、自宅の名刺ケースの中に蓄積されていくだけです。

本当に連絡したいと思う人であれば、名刺交換ではなく、フェイスブックやラインのアドレス交換をその場で行います。そうすれば、その日からすぐにやりとりをすることができます。

名刺交換「しか」しないと言う事は、逆に言えば、それほどコミニケーションの必要性をお互いに感じていないことを意味します。

「昭和の世代」の人達の中には、名刺を持っていないと言うと、失礼な奴だと内心不愉快に思っている人もいるかもしれません。

でも、実はもっと失礼なのは名刺交換しかしないで、その後コミュニケーションしないことです。

せっかくお金をかけて作った名刺が、何の役にも立たず、無駄になってしまっているからです。

私も若い頃は異業種交流会(笑)に足繫く通い、たくさんの人と名刺交換することで自己満足していました。

しかし、名刺交換をするだけでは、そこには何の価値も生まれません。

SNSで情報発信できる環境になって、自分の強みを普段からしっかりアピールしておけば、名刺交換はもはや必要ないと思っています。

年賀状の風習がいつの間にか消えてしまったように、名刺交換の風習もいずれなくなってしまうのではないか?

そうすれば、私のことを「失礼な奴」と陰口を叩く人もいなくなるでしょう。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。