「減税解散」総選挙と内閣改造の本丸

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岸田改造内閣

岸田政権の内閣改造が不人気に終わったとマスコミは騒ぐが、果たしてそうだろうか?

今回の内閣改造の目玉は、外務大臣、防衛大臣と女性閣僚5名と表面的には見えるし、派閥の綱引きについては従来の慣例を踏襲したような人事で目新しさを感じなかった。

岸田首相 内閣改造 正式に発足 初入閣11 女性入閣最多の5

岸田首相 内閣改造 正式に発足 初入閣11人 女性入閣最多の5人 | NHK
【NHK】岸田総理大臣は、13日内閣改造を行い、皇居での新閣僚の認証式を経て、第2次岸田第2次改造内閣が正式に発足しました。

唯一は、先の参議院選挙で出馬し落選した元国民民主党副代表の矢田稚子氏を総理補佐官に任命したことで、これは国民民主党の玉木代表も驚きを隠せなかったようだ。国民民主党は今回の内閣人事で入閣が取り沙汰されていたこともあり、玉木代表の動きが注目されていたが、党の役職を離れた矢田氏起用については、玉木代表はあくまでも党とは関係ないとしながらも、批判的な見方はしていないようだった。

むしろ、先の参院選で負けた矢田氏と選挙区の支持者へのバツの悪さから、今回の補佐官人事で玉木代表も矢田氏に対して批判しないと言う仁義を通した。そして岸田総理は来たる衆院解散を視野に入れながら、公明党への牽制と国民民主党に対する総理の姿勢の一端を見せておいた、と言うことではないだろうか?

いずれにしても、次の解散総選挙後の内閣人事が大きな転換点になる可能性は、一段と高まった。

公明党は創価学会そのもの

と言うのも、先日の麻生前副総理の発言にもあるように、自民党内では公明党との連立解消の意見は根強い。確かに公明党は創価学会による岩盤支持層を有してはいるが、肝心の創価学会自体の基盤が徐々に揺らいできているのも事実で、安倍元総理暗殺事件以後に噴出した旧統一教会問題をきっかけに、連立を組む公明党への厳しい視線が注がれているのも否定できない。

旧統一教会を問題視するなら、昭和30年代以降、一部社会問題化し、地上波でも放送された創価学会の折伏は問題が無いと言えるのだろうか?また、信者に対して執拗な献金を迫ったり、創価学会信者に利益が分配されているかのような土建屋や建築業界の横の繋がりと、国土交通相のポストにこだわる公明党とは果たして無関係と言えるのか?という疑問は、ずーっとついて回っている。

創価学会の強みは信者同士がまるで共産主義社会かのように、情報を共有し、組織の上の人に報告し、それによって信者として繋ぎ止める為の方策を講じたりしている。中でも創価学会が血脈を上げて取り組んでいるのが、財務と呼称される金集めだ。

その教義上の意味合いは信者間で共有していればいいし、どこまでも信者の自由意志であるならば、それはそれで尊重すべきだが、新興宗教にありがちな論調として、その家系や家族に関わる罪穢れを払拭するためには、コレコレの金額を届けなさいというもので、創価学会もその例に漏れることはないだろう。

繰り返すが、信者の自由意志によって届けられる献金であるなら、それは思想信条の自由の範疇で、なんら問題視されるものではないが、仮に形而上の問題を取り上げて、「献金すればその形而上の問題が解決する」と広宣流布することが問題なのだ。形而上の問題と形而下の行動を結びつける科学的根拠は何もない。

宗教なので形而上の問題を取り上げるのは、当たり前と言えば当たり前なのだが、形而下のお金を結びつけるところに問題があるのだ。

各宗教ごとにその論調は様々だが、そのほとんどがこの現世を良い世界にするためには金がいるという一点に帰結する。つまり、形而上の魂とか霊とか罪穢れと行ったものを形而下のお金に置き換えて、罪滅しのために苦しめと言ってるのだ。それによって霊の曇りだの罪穢れだの先祖の悪行が抹消されるというのだ。これを常人の感覚で見れば「なぜ?」と思えるのだが、そこが宗教の怖いところで、いろいろな形で洗脳されてしまうが故に、ついコロッと騙されてしまう。

例えば前世なり先祖なりが人を苦しめたとして、それを今生の自分が反省しているというなら、何に使われるか分からない宗教団体に寄付するくらいなら、人道支援してる団体や国際機関に寄付する方が、よほど為になる。使われる先がはっきりしているからだ。そちらの方がよっぽど人助けになるだろう。

この献金しないと自分は地獄に落ちるかもしれないという恐怖信仰で、新興宗教の金集め理論は成り立っている。だから、どの団体も金集めに腐心し、ほぼそれを唯一の事業としている。その金はほとんどの場合、周囲を威圧するかのような神殿の建設や宗教施設の建設に使われる。自分たちの団体の建築物を見よ、すごいだろ?という理屈だ。それだけ立派な建築物を作るのは、それだけ力がある証拠だし、それだけ多くの人が信奉してるから信頼できる宗教だと言わんばかりだ。

キリスト教系だろうと仏教系だろうとイスラム教だろうと、それは全て同じ。

そして新興宗教の99%は、それら歴史の偉人を始祖とし、今世において自分がその任を託されたと言ってる。そしてそれは誰にも証明不可能なことだ。

元大阪の地上げ屋だった池田大作氏も、誰よりも信者を増やし誰よりも金を集め、誰よりもカリスマ性のある話し上手だったことをきっかけに創価学会のトップに上り詰めた。いわば、論功行賞で出世したのだが、更に池田大作氏はお得意の金集めの手法を発揮して、創価学会を現在の状況にまで巨大化させた。世界中にある新興宗教の中でも、その意味では稀有な存在と言える。

ただ冷静な目を持って見ると、池田大作氏の功績は莫大な資金源を使って各国の名誉博士号を買い、日本全国に宗教施設を建設し、公明党を使って国土交通相ポストと公共事業利権を信者に分配しているという点に尽きる。

それは幸福の科学の大川隆法氏にも通じる話だろう。

以後、

・連立政権の意義
・解散総選挙の大義名分と真の目的とは?

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。