『世界最古の企業は日本にあった!老舗企業の多さと皇室の歴史の共通点とは?皇室の万世一系の真偽と価値~日本では老舗企業が世界一多い』という記事をダイヤモンド・オンラインに書いたが、その要約と深掘りをしたい。
日本の皇室は世界でいちばん古く、しかも、万世一系。つまり、創業者である神武天皇から男系男子で継承されているので、格別にありがたいと言われている。
これについては、私は「日本書紀」に書いてある系図と各天皇の事績は正しいという立場である。長すぎる古代の天皇の寿命はありえないが、そんな粉飾はあちこちの建国語りでよくされることである。
そこさえ常識的な長さに調整すれば、日本書紀の記述はほぼ、中国などの史書、好太王碑の記述などとも矛盾は無く、否定的に見る必要はない。
ただし、万世一系というのは、それほど珍しい話でない。英国王室は、1066年にイングランドを征服したノルマン人のウィリアム1世(フランスのノルマンディー公ギヨーム)が神武天皇のような存在で、ノルマン人の習慣に従って、女王や女系相続が認められたので、王朝名が頻繁に変わっているだけだ。
ノルマン朝→プランタジネット朝(フランス人)→テューダー朝(ウェールズ系)→ステュアート朝(スコットランド系)→ハノーバー朝(ドイツ人)→サックス・コバーク・ゴータ朝(ドイツ系。第一次世界大戦中にウィンザー朝と改称)と血統は続いている。
また、スペイン王家は、イスラム勢力に対するレコンキスタ(国土再征服運動)を開始したアストリアス公ペラーヨの娘の夫の弟であるヘルムートの女系子孫が継続して国王だ。
日本はまた、老舗企業が世界一多い国だともいわれている。
世界の創業年数が100年以上の企業のうち日本の企業は50%、創業200年以上では65%だという(日経BPコンサルティング・周年事業による)。
創業が古い企業ということでは、寺社建築の金剛組が、聖徳太子による四天王寺が建設された578年からで最も古く、山梨県西山温泉の慶雲閣が705年創業として、ギネスブックで最古の旅館に認定されている。
フランスで1981年に設立されたエノキアン協会というのは家業歴200年以上の企業の世界的な組織だ。エノキアンとは、世界最古の都市であるエノクの町に住む人々という意味で、エノクは旧約聖書におけるアダムの孫とされる。
そんななかで、エノキアン協会設立当時の中心人物の一人にオリビエ・メレリオという人がいる。
1515年にイタリアからフランスに移住したメレリオ一家から始まり、摂政であったマリー・ド・メディシスから、フランス全土において商売をしても良いという異例な特権が付与された。
その特権は、ルイ16世の時代までフランス国王により更新され続け、ついにメレリオ・ディ・メレーとマリー・アントワネットが出会うことになる。
1780年頃、ジャン-バティスト・メレリオがヴェルサイユ宮殿の門の前で、宝石を宮殿に住む待女たちに見せたところある日、王妃マリー・アントワネットが彼の宝石に目をとめ、「カメオとガーネットのブレスレットを購入してそれから快進撃が始まったらしい。
です。ヴェルサイユ宮殿にジュエリーを販売しにきていたジャン=バティスト・メレリオから、マリー・アントワネットは購入した。
1815年には、ナポレオン1世の命令により、ラ・ペ通り22番地に店舗をオープン。この通りに店を構えた最初のジュエラーとなったのだそうだ。
オリビエ・メラリオが、日本に老舗が多いのに注目し、エノキアン協会に多数の企業を勧誘するなど、親日家として知られ、私もパリ在勤時その後の日欧アスペンというシンポジウムでお付き合いがあった。
オリビエ・メレリオ氏はOECD代表部大使だった小和田恆氏とその夫人の友人としても知られ、また、雅子さま愛用の時計は、このブランドのものだ。両親からプレゼントされたこともあったし、フランス大使館での新製品内覧会にお越しになったこともあって、たいへんなお気に入りのようだ。
小和田家との深い関係もあろうが、長い歴史を誇る皇室にふさわしいと評価されているのでないかと推察する。
日本のエノキアン協会の加盟企業のうち最古なのが石川県粟津温泉の法師旅館で、718年の創業という。
和菓子の虎屋は、京都で創業され1500年代の創業。
精密治具・鋳物のナベヤは、岐阜市が本社で1560年。ナベヤ
日本酒醸造、月桂冠は、京都市伏見にあって1637年。酒造業月桂冠
ヤマサ醤油は、千葉県銚子市で1645年。醤油製造ヤマサ醤油
岡谷鋼機株式会社は、名古屋市が本社で1669年。商社:名証プレミア市場上場
材惣木材も名古屋で1690年。
お茶と海苔の山本山は東京都中央区が本社で1690年。日本茶・海苔製造販売
餅菓子の赤福は、三重県伊勢市で1707年。
麻織物の中川政七商店は、奈良県奈良市で1716年が創業だ。
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