セブンイレブンが、本当に「セブンイレブン」に戻った理由

自宅の近くにあるセブンイレブンの営業時間が10月から変更になりました。

今まで24時間年中無休で営業していたのが、午前7時から午後11時までの営業時間に変わりました(写真)。

セブンイレブンという店名は、朝7時から夜11時まで営業していることに由来しています。24時間営業に拡大したものの、回り回って元の営業時間に戻ってしまったと言うわけです。

営業時間を短縮したのにはいくつかの理由が考えられます。

まず人手不足です。

私が良く利用する店舗に夜遅くに行くと、アルバイトではなくオーナー夫婦が自ら店頭に立っているのをよく見かけます。

今や、深夜の時間帯は時給を高くしても、人が集まりにくくなっているのだと思います。

また、コロナ渦以降は遅くまで飲み歩く人が減り、深夜に都心部を歩く人が少なくなりました。売上が上がらず、深夜営業にメリットが無くなってきているのです。

さらに、最近は、コンビニの前の道路やコインパーキングなどで、コンビニで買った缶ビールを立ち飲みする人も目立ちます。深夜に店舗の周辺でお酒を飲んで騒ぐ人がいれば、お店も酔客とのトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。

従業員の安全を確保するためにも、深夜営業は避けた方が良いのです。

一方で、営業時間短縮によるデメリットもあります。

コンビニが深夜営業を止めると、周辺の人通りがさらに減り、街並みが暗くなって、治安が悪化するリスクもあります。今までは安心して深夜でも歩けた道が、海外のように歩けなくなるかもしれません。

また、震災や台風の被害が発生した際に、ライフラインとしての機能を果たせなくなる可能性もあります。

コンビニの営業時間の変更は、日本社会が人口減少によって、拡大志向から縮小均衡へ転換していく象徴的な出来事のように感じます。

日本社会が衰退していく光景を見るのは、なんとも悲しい気持ちです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。