ハマスによるテロ攻撃を受けたイスラエルとの連帯を示すためにバイデン米国大統領が同国を訪問しました。
バイデン大統領がイスラエルに到着
イスラエルへの訪問にあわせてバイデン氏はヨルダンにてアラブ諸国首脳との会談を予定していましたが、土壇場で中止となっています。
ブリンケン国務長官も中東諸国からの援助を引き出そうとシャトル外交を行っていました。
しかし、サウジアラビア皇太子には会談まで数時間待たされ、エジプト大統領には説教されるなどして、屈辱的な対応を受けています。
サウジにディスられ、エジプトに説教される: 米国の外交と中東の現実
ハマスへの報復でガザ地区を爆撃し、同地区への水道、電気の供給を停止するイスラエルに対し、中東諸国の間では非難の声が強まっています。ヨルダン国王はイスラエルの行いが「戦争犯罪」にあたるとし、強い言葉で断罪しています。
中東諸国は長年に渡り「パレスチナの大義」を掲げ、パレスチナ人の自治を認めないイスラエルを批判してきました。そのこともあり、パレスチナ人の被害が拡大する中で、中東諸国政府はイスラエルを非難することを余儀なくされています。
イスラエルと中東諸国の関係改善により、パレスチナの大義は一時は風化したものと思われていました。
イスラエルにガザ地区を攻撃させ、中東におけるパレスチナ問題への関心を高めることはハマスが望んでいたことだったのかもしれません。そのおかげで、国交正常化目前だと思われていたサウジアラビアとイスラエルの交渉が凍結してしまっています。
四面楚歌に陥るイスラエルにとって頼れるのは米国しかいないのでは?
イスラエルのガザ地区侵攻に伴う人道危機を回避できるのか。バイデン大統領の外交手腕が問われています。