麻薬フェンタニルが中国からメキシコ経由で米国へ

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中国が米国崩壊を狙う手段の一つが麻薬

中国は強力な麻薬フェンタニルで米国社会の崩壊を仕掛けている。その協力国が左派政権のメキシコだ。中国からフェンタニルの原材料をメキシコに密輸入しているのはメキシコの2大麻薬組織カルテル・デ・シナロア(SINALOA)とカルテル・デ・ハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオン(CJNG)だ。この2つのカルテルは米国でも巨大な麻薬市場をもっており、メキシコで加工したフェンタニルを米国に送って密売している。

米国の麻薬取締局(DEA)は同局のメキシコ駐在員によってそれがメキシコで加工されているのが確認されている。が、肝心のメキシコの大統領アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏(AMLO)がその事実を否定して、その取り締まりに協力しない姿勢を維持している。

AMLO以前のメキシコ政府とは米国は摩擦なく両国は協力関係にあった。ところが、2018年にメキシコで初めて左派系の大統領が登場してからは米国との関係は円滑に展開されていない。

しかも、AMLOはシナロアとは秘密裡に関係をもっていると推測されている。その狙いは、メキシコで最大のカルテルを優遇しながら、シナロアを介して他のライバルのカルテルの動きを掴むためである。そしてカルテル全体の取り締まりを強化するためでもある。

しかし、カルテルによる殺害事件は減少するどころか逆に増加している。このようなやり方はフェリペ・カルデロン元大統領(2006〜2012)もやっていたことで、それを利用してシナロアは急成長したとされている。同様にエンリケ・ペーニャ・ニエト前大統領(2012〜2018)はシナロアのライバルCJNGと一時的にではあるが関係をもっていたとされている。

フェンタニルはヘロインの50倍の威力

フェンタニルは植物からではなく、化学合成によってできた麻薬だ。その人体に与える威力はヘロインの50倍強力だという。その影響もあって米国では毎年この薬物の過剰摂取で12万人が亡くなっている。

米国はこの被害を深刻に受け止めており、中国の8つの企業とその役員を提訴している。しかし、メキシコの2大麻薬組織が中国のそれを関係を結んでフェンタニルの原材料のメキシコへの密輸入に協力し、またメキシコのAMLOがその取り締まりに協力する姿勢がないということで米国内でのこの麻薬の密売は更に進展している。

米国の上院外務委員会のボブ・メネンデス委員長はこれまでもAMLOとは数度争いをしているが、今回のフェンタニルに関して取り締まりに協力しない姿勢から「(メキシコは)麻薬に浸透された国家」だと非難している。(8月10日付「ラ・ポリティカ・オンライン」から引用)。

麻薬2大組織はメキシコ以外にラテンアメリカの主に5カ国から密輸入

米国はまた麻薬の取り締まりにはメキシコだけを焦点にして監視するだけでは解決しない状況にある。ラテンアメリカの多くの国が同じように麻薬の生産並びに供給国になっているからである。

ベネズエラ、ペルー、コロンビア、エクアドル、ブラジルなどが米国そしてヨーロッパにも麻薬の密輸している。特に最近のエクアドルの麻薬市場は急激な伸びを見せており、その影響から麻薬組織の間で縄張り争いから殺害事件が急増している。これらの国でも米国へ密輸の最大引き受け先はシナロアとCJNGである。この2つの麻薬組織がそれぞれ現地の組織と協力して密輸ルートを固めている。