タクシーにこそ「評価システム」を導入して欲しい

日本でもようやくライドシェアの議論が盛り上がり始めました。その理由の1つが、タクシー運転手の不足です。

タクシー台数減少の影響なのか、東京でも最近は流しのタクシーが捕まりにくくなりました。雨の日になると、ほとんどの車が乗車中で困ることがあります。

タクシーを利用して不満に思うのは、運転手不足だけではありません。運転手によってサービスにばらつきがあることです。

東京は、比較的マナーの良い、安全運転のタクシー運転手が多いと思いますが、中にはひどい人もいます。

先日乗ったタクシーは「次の信号を左折してください」と言ったのに、手前の信号でいきなり止まってしまったり、運転手との意思疎通が全く噛み合いませんでした。

しかも、運転技術にも問題があり、急加速・急停車で、短距離しかならなかったのに、気分が悪くなってしまいました。タクシー運転手に向いていない方だと思いました。

ウーバーやグラブのような海外でのライドシェアの場合、乗車した後からサービスの評価をすることができます。

蓄積された評価データによって、運転手のクオリティーを判断することができ、それが安全性の確保やサービスの満足度向上につながります。

ライドシェア導入に反対する人の理由として、運転手の質が悪く犯罪やトラブルが増えるリスクがあると主張する人がいます。

恐らくライドシェアサービスを利用したことが無い人のコメントでしょう。

評価システムによって、質の悪い運転手は排除され、自然に優良な運転手だけが集まるようになっているのです。

私は、タクシーにも、この評価システムを導入してほしいと思います。

運転技術に優れ、上質なサービスを提供できる運転手には、より高い料金を支払っても良いと思うからです。

運転手によって提供できるレベルが異なるものを同じ価格で販売する昔ながらのタクシーの固定料金制度。

ライドシェアの導入だけではなく、同時にタクシー業界の改革もお願いしたいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。