まだタワマンに住みたいと思いますか?

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日本経済新聞社の記事によれば、世界の超高層ビルの高さランキングトップ50のうち、半分は中国に存在するそうです。

ランクインしている国は中国以外も、アラブの産油国、ベトナム、韓国、台湾、ロシアなどの新興国がほとんどで、先進国ではアメリカ位しかランクインしていません。

高いところが好きな国民は特定の国に偏っているということです。

一般的な傾向として、国が経済成長すると共にビルの高さを国力の象徴のように競い合う動きは消えていくようです。

日本でも、今なお居住用のタワーマンションが人気ですが、私は高層階に住むより低層に住むのを好みます。

そんな個人的なバイアスもあってか、タワマン人気が日本でこれからも続くかどうかに関して懐疑的です。

確かに、タワーマンションは眺望がよく、高層階は下界を見下ろし一見優雅に見えます。しかし風が強く、災害時のエレベーター停止リスクや、火災時の消火ができないリスクがあります。また、日本では、地震の際の揺れも心配です。

地上へのアクセスが悪いのもデメリットです。高層になればなるほどエレベーターで降りるのに時間がかかり、実は不便であることが住んでみるとよくわかります。

また、将来の大規模修繕も心配です。外壁の修繕等には、低層マンションに比べ、多額の費用がかかると思われ、将来問題化するのではないでしょうか。

日本ではタワーマンションは、相続税の節税対策としても人気がありました。こちらも、いわゆる「タワマン節税」が封じ込められてしまい、メリットは消えました。

いまだに麻布台ヒルズのような高層マンションが作られていますが、三田ガーデンヒルズのような低層高級マンションに人気が移るのではないでしょうか?

私が来年、引っ越す晴海フラッグ(写真)にも、現在スカイディオというタワーマンションが建設中で、極めて高い競争率になっていると聞きます。

しかし、私には魅力的には感じられません。

晴海フラッグには低層のマンションと高層のタワーマンションが混在します。それぞれの価値がこれからどのように変わっていくのか、大変興味深いです。

高いところが好きな新興国やアメリカの人たちはともかく、日本でも未だにタワーマンションに住みたいと思っている人が多数派なのでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。