今年度補正予算案を読み解く:公共調達入札のチャンスはどこにある?

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今年度補正予算が閣議決定!何が追加・増額されたのか?

政府は11月10日、物価高への対応などを柱とする新たな経済対策の裏付けとして、総額で13兆1000億円余りとなる補正予算案を閣議決定しました。

補正予算には、当初予算では採用されにくいような内容の予算も入ってくることがあります。今回の補正予算では、どのような内容のものが追加されたのか、もしくは増額されたのか。

もしあなたが公共調達への入札を考える企業や組織の担当者であれば、これを早めに知っておくことで、準備を入念に進めることが出来ます。そこで本記事では、今回の補正予算の内容を、「入札に興味を持つ企業担当者」の目線で見た時に注目のポイントを解説します。

当初予算(本予算)は、来年度の財政計画に基づいて作られるベースとなる予算案です。その作成は、前の年度、すなわち2024年度予算であれば2023年度にはいってすぐというタイミングから、各省庁内で検討が始まります。

そして、例年7月に、財務省から概算要求基準が示されます。いわゆるシーリング(天井)と呼ばれているもので、予算があまりに膨大になりすぎないよう、総額に一定の枠をはめるわけです。

各省庁はその後、概算要求といって「うちの省庁では来年度、こんなことをしたい、つきましてはこのくらいの予算が必要」という形で要求していくわけですが、総額の上限が決まっているわけですから、ある省庁がたくさん予算を獲得すれば、ほかの省庁の予算は減らされるわけです。

というわけで当初予算(本予算)の場合、新しく大規模な予算を伴う事業を通すには厳しい制約があります。

8月末に概算要求を各省庁が作ったあとも、9月~12月まで、3か月以上にわたって財務省の厳しい査定を受け、そうして政府案として閣議決定され、1月からの通常国会で審議されたものが、新年度の予算となるわけです。

一方で補正予算は、上記の当初予算の概算要求基準が出た後に、例えば税収が大幅に増えたりとか、物価高・円安の急激な進行のような想定外の事態が発生したりしたときに、その手当として予算枠を増減させるものです。

いわば突発的な状況に応じて枠が(あるかどうかも含めて)決まるものですから、当初予算案のように時間をかけて検討を進めていくわけにもいきません。一般的には総理が補正予算編成を決断してから、数週間という短いスパンで中身が作られます。

また、「突発的な状況に対応する」という状況に対応するのが目的なので、当初予算では難しいような新規の事業に対する予算案も認められたりします。もしかすると、この記事を読んでおられる企業や団体のみなさまの事業領域や関心領域に関わる新規事業の予算が、認められているかもしれません。

現在開かれている臨時国会で可決されてから慌てて、中身を確認するのではなく、今のうちから「利用できそうな予算はどれか」ということを知っておくことが重要です。

以降の有料部分では、特に「新しいシステムの立ち上げ」や、「HP構築」、「広報事業」、「コールセンターの設置」など、IT系企業やアウトソーシング事業会社といった公共入札に関心のある企業が活用できそうな厚労省・文科省・内閣府の予算を見ていきます。

(この続きはこちらのnoteから)

(執筆:西川貴清、監修:千正康裕)

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編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2023年11月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。