ビジネス書を出したことがあるせいか、沢山の著者や出版社から書籍が送られてきたり、出版の宣伝メールが届いたりします。
最近も、しばらく音信不通だった知り合いから、突然メッセージが届きました。
新刊書籍を出すので、アマゾンではなく、店頭の書店で購入して欲しいという内容です。どうやら、多数の人に一斉に同じ内容で送っているらしく、定型文でした。
久しぶりの連絡がこれなのかと、正直ちょっとがっかりしました。
別の方からも、同じように出版をしたとのことで、連絡が入りました。
こちらの方には、普段から相談事を送ると、毎回丁寧に対応してもらっています。コンサルティングフィーも払わず、専門家のアドバイスを迅速にしてもらって、お世話になりっぱなし。いつも申し訳ないと感じていました。
「借り」があるという認識です。
しかも、本を買って欲しいという依頼ではなく、本を献本したいので送付先を教えて欲しいという内容でした。一人一人丁寧に文章を変えて送っているようです。
最初の人と正反対の好印象です。
いきなり一斉メールで自著を買えと知らせてくる人と、普段から親切にしてくれて、更に丁寧なメッセージと共に本を送ってくれる人。
どちらを応援したいと思うかは、明らかです。
仕事が思い通りにいかない人にありがちなのは、最初から自分がもらうことばかり考えていることです。
私は、何でも欲しがる「クレクレタコラ」(YOUTUBEの音声が出ます)と呼んでいますが、これでは人は集まってきません。
まずは相手が喜ぶと思うことをこちらから無償で提供する。「貸し」を作るのです。
見返りを求めないで相手に与える。その中の心ある人なら、いつかお返ししたいと思うはずです。
そんな貯金を自分の周りにいる人に、淡々と続けていく。その貯金は、自分が困った時や、助けて欲しい時に、取り崩すことができるはずです。
契約書で決めたようなビジネスライクな関係は、利害でしか動きません。でも、貸し借りから生まれる関係は、損得を超えたところに存在します。
だから、ビジネスの達人とは、見返りを求めず、与え続けて「貸し」を作りまくる人だと思います。
とわかったようなことを書きましたが、自分自身が実践できているかは別問題です。
煩悩だらけの私も、少しでもその境地に近づきたい。周りの人に何が出来るかを考え、日々行動したいと思います。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。