なぜかワクワクしない麻布台ヒルズ

神谷町の近くでミーティングがあり、次の予定まで時間があったので、話題の麻布台ヒルズに行ってみました。

平日の夕方だと言うのに、イルミネーションイベントがあるらしく、たくさんの人が集まっており、警備の人たちも大量に動員されていました。

まだオープンしていないお店も多く、広い敷地内は準備中のブランドショップがまだら模様にありました。

大きな敷地に、巨大な建物がいくつも立ち並ぶ姿は迫力満点で、近未来都市のようなインパクトがあります。年末にかけて観光スポットとして、さらに盛り上がりそうです。

しかし、入っているお店は、どこにでもあるブランドショップや、どこかで見たような飲食店チェーンばかりです。麻布台ヒルズに初登場という人気レストランも多数集められているようですが、こちらは既に予約が取れない店ばかりです。

森ビルの再開発というと赤坂のアークヒルズを思い出します。

1986年にアークヒルズができた時は、私は社会人1年目でした。カラヤン広場にADコロシアムという小洒落たベトナム料理店があって、興奮して出かけていったのを覚えています。

麻布台ヒルズは、アークヒルズよりも圧倒的な規模で、クオリティーも遥かに高いと思います。

なのに、当時のようなワクワクする興奮を感じないのは、私が歳をとったせいでしょうか?

大規模開発の整然と立ち並ぶ高層ビルよりも、雑然とした路地裏のような昔ながらの商店街に魅力を感じてしまう世代になったのかもしれません。

残念なことに、古き良き昔ながらの街並みが次々と姿を消して再開発されていきます。森ビルだけではなく、三菱地所や三井不動産等の大手デベロッパーも競争するように次々と開発を進めています。

古い木造の建物が密集する地域は、防災上の理由もあり建て替えが必要なのも理解できます。

それでも新橋や新宿三丁目のような、東京のあちこちに点在する酒飲みの聖地のような雑然としたエリアは、無機質なビルに再開発してほしくはありません。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年12月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。