「カジノで溶かす」人の気持ちが少しだけわかった夜

南麻布にある会員制の寿司店で、12月の特別企画として開催されていたワイン福袋にチャレンジしました。

これは、中が見えない紙袋が目の前に20個用意され、そのうちの1つを選ぶ場合は参加費50,000円、2つを選ぶ場合は参加費120,000円。ちょっと勇気のいる価格です。

20個のうち、1等、2等、3等が1つずつ入ってますが、大外れも1つ入っています。残りの16個は、残念賞になります。

どの袋にも、ワインや日本酒が2本入っています。当たりが出ればかなりお得です。

1等は、超有名造り手のドメーヌ・ルロワのヴィンテージワインと人気シャンパーニュのクリスタル。市場参考価格は245万円です。

2等は宮城の日本酒伯楽星のほとんど市場に出回らない零響とシャンパーニュのドンペリニオンで48万円。

3等は、日本酒の十四代の純米大吟醸白雲去来と、シャンパーニュのクリュッグで18万円

残念賞でも、ブルゴーニュワインと日本酒の有名銘柄で4万円の価値があります。

ただし、大外れの場合は、コンビニで売っている1000円のサンタ・ヘレナ・アルパカ 2種になります。

チャレンジするのは私だけなのかと思いきや、一緒に出かけたメンバー4人全員がそれぞれ12万円払ってチャレンジしました。

私は残念賞が2袋という結果。当たったのか外れたのかよくわからないモヤモヤ感が残りました。

後から冷静に考えると、支払った金額はそれなりに大きな金額です。

しかし、その場にいた時は、もう1回やるともしかすると当たるのではないかという射倖心が急激に高まり、もう1回やりたくなりました。

お酒が入っていたせいもあるかもしれませんが、このような興奮状態になると、冷静な判断ができなくなり、次々とお金をつぎ込みたくなってしまうのです。

かつて、シンガポールのカジノで100億円「溶かした」会社の社長がいました。スケールは全く違いますが、その人も似たような感情だったのだと思いました。

幸いなことに、この福袋チャレンジは来店する毎に1回しかできません。だから、やりたくても今回はこれで終了です。

支払いを終えて、帰りに持って帰ったワインのボトルは、気のせいかいつもより重く感じました。

年内にまたお店に行ったら、チャレンジしてしまいそうです。ギャンブルとはこういうものなのでしょうか。

Lacheev/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年12月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。