日本製鉄がアメリカの鉄鋼大手USスチールの買収を発表しました。これにより、世界第三位の粗鋼生産量を誇る会社が日本企業となる見込みです。
【日経特報】日本製鉄、USスチールを買収 日米で1兆円超の大型再編https://t.co/xx1amZMLou
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) December 18, 2023
経済安全保障の観点から見ると日米双方にとって良いニュースです。
久々の日本企業による大型米企業買収案件です。鉄鋼業界は中国に圧倒されていたというニュースばかりでしたが、今回の合併が実現すれば世界第三位に。中国によるEV独占や経済安全保障の観点からも意義があります。 #NewsPicks https://t.co/udISfX9WfM
— 峯村 健司 / Kenji Minemura「中国『軍事強国』の夢」(文春新書)出版 (@kenji_minemura) December 18, 2023
しかし、米国議会からは今回の買収劇を妨害しようとする動きが出ています。
日本製鉄のUSスティール買収にペンシルベニア州のジョン・フェッターマンとボブ・ケーシー、オハイオ州のJDバンスとシェロッド・ブラウンが反対を表明。ラストベルト2州の上院議員全員が党派を超えて一致する光景に。 https://t.co/7UOvwvqR97
— JD (@JDWorldBriefing) December 19, 2023
ペンシルベニア州選出のフェザーマン議員ははっきりと買収を阻止すると明言しています。
The acquisition of @U_S_Steel by a foreign company is wrong for workers and wrong for Pennsylvania. I’m gonna do everything I can to block it. pic.twitter.com/9EqohwRhRJ
— Senator John Fetterman (@SenFettermanPA) December 18, 2023
外国企業によるUSスチールの買収は、労働者にとってもペンシルベニア州にとっても間違っている。全力で阻止するつもりだ。
USスチールが買収されることには民主党の支持基盤である労働組合も反対しています。
アメリカ史上最も親労働組合であることを自負しているバイデン氏の対応が注目されます。
米議会の動きは、米政治の先行指標だと私はみている。
最終的に日本製鉄への売却は阻止されると思う。
何より、米史上最もPro-Unionだと自負しているバイデン大統領が労働組合が反対している買収を容認するはずがない。2024年は総選挙もあるのに。— Reika.H (@doll__en) December 18, 2023
一方、エマニュル駐日米国大使の日本製鉄とUSスチールの合併を祝福しています。こちらはバイデン政権の公式見解なのでしょうか。それとも。。。
日本製鉄とUSスチールは、149億ドル規模の歴史的な取引を発表した。業界の象徴的存在である両社は、競争がさらに激化する環境に直面する中で、基幹産業である鉄鋼業界の未来を定め、強い絆を築いている。日米は過去4年間、互いに最大の投資国であり、本日の発表でその絆はさらに深まることだろう。 https://t.co/0KIxWoXZlj
— ラーム・エマニュエル駐日米国大使 (@USAmbJapan) December 19, 2023
バブル期には、日系企業がロックフェラーセンターやコロンビアピクチャーズなど次々と買収し、日本脅威論が米国内で謳われました。USスチールの買収を機に久々に日系企業が米国内で「脅威」と見なされる状況が出来つつあります。