ベルト・モリゾと18世紀アート展&常設展@マルモッタン・モネ美術

”ベルト・モリゾと18世紀アート”展@マルモッタン・モネ美術館。

手にしているエヴァンタイユは、右のもの。18世紀製作。

パリのブルジョア階級に生まれ育ち、同じ階級出身のウジェーヌ・マネとの結婚。モリゾの裕福な生涯や、絵画を学びルーヴルに通っていた環境が、彼女独特の多幸感ある情景や18世紀絵画への嗜好を生み出したんだな、というのがよく分かる。

ヴァトー、フラゴナール、ブーシェらへの大いなるオマージュや受けた影響が興味深い企画展。

それにしても、ヴァトーの服の質感、ほんっと素晴らしい。モリゾが生きた時代、ルーヴルでは18世紀画家は重きを置かれておらず、ヴァトーはたった一点(もちろん”シテール島~”)しか飾られていなかったそう。この企画展には、ブーダンによる模写も展示されてる。

ブーダンによる、”シテール島への巡礼”。
ヴァトーのオリジナルは、ルーヴル美術館の奥の方の部屋にある。

”どれか一枚もらえるなら”は、新婚旅行で訪ねたワイト島でウジェーヌを描いた作品か、ブージヴァルの彼らのお家の庭の風景画。シカゴ美術館からやってきた、白の表現が見事な女性の後ろ姿の作品も好き~。んー、でもやっぱりブージヴァルの庭かな。

右が”ブージバルの庭”。左はブーシェ。

この作品見てたら、この美術館で一番好きな、モネの”バラ”を見たくなり、地下のモネルームへ。2年前に来た時は飾られてなくてがっかりだったけど、今日はちゃんと壁にかかってる。

現在モネ最愛のバラを満喫し、モネの初恋だった”印象日の出”も愛でる。

この美術館にあるスイレンで一番のお気に入りはこれ。

地上階の常設展も。
ブルジョワ館の日常に、カイユボットなんかが飾ってある。夢の世界・・。

モリゾの先生だったコロー作品。タッチに共通点あるね。

幸せいっぱいのモリゾ&マネ家。娘ジュリーがかわいい

この美術館の周囲は、文字通り閑静な住宅街。特にラヌラフに通じるあたりは、今なお前世紀前半か19世紀と思われる館が並び、自然豊かな遊歩道もあって、とても居心地よい。モリゾやモネが生きた時代の香りが漂っている気がする。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年10月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。