伝統とモダンが交差する場所:ルテシア・パリで過ごす至福の時間

来年、夏季オリンピックが開催されるパリ。フランスの首都、街の歴史は紀元前に遡り、当時この集落はルテシアと呼ばれていた。そんなパリの古の名を冠したホテルがある。「ルテシア・パリ」だ。

パリ6区。町を東西に流れるセーヌ川の南側、左岸と呼ばれるエリアの中心地に建つラグジュアリーホテル。開業は1910年、アール=ヌーヴォーが終わりアール=デコが始まった時期であり、ホテルのそこここに、当時流行したアートセンスが残っている。

商業的イメージの右岸に対し、文化的イメージを持つ左岸。ギャラリーや出版社などが多く、「ルテシア・パリ」の近くには、アーネスト・ヘミングウェイが暮らしていたし、20世紀を代表する哲学者・作家のジャン=ポール・サルトルがパートナーでやはり哲学者・作家であったシモーヌ・ド・ボーヴォワールと自宅のサロンのように使っていた名門カフェ「カフェ・ド・フロール」もある。

パリには、”パラス”と呼ばれる最高級ホテルが11軒あるが、そのほとんどが右岸の華やかなショッピング街のそばに位置する中、「ルテシア・パリ」だけは、左岸の落ち着いた雰囲気に佇み、他のパラスホテルと一線を画した魅力を放っている。

宿泊できれば最高だが、なかなか敷居が高い。そんな時は、バーやアフターヌーン・ティーでこのホテルの魅力を楽しむのはいかが?

「バー・ジョゼフィーヌ」は、20年代にパリで一世を風靡し、ピカソやヘミングウェイが夢中になったジャズ歌手でありダンサーだったジョセフィン・ベーカーにオマージュを捧げたバー。華やかに輝くような内装で、木・金・土はスムースジャズの生演奏が入る。ベーカーが活躍した”狂乱の時代”を彷彿させる雰囲気の中で味わうカクテルのおいしさはひとしおだ。

ステンドグラスの天井画が美しい「ル・サン=ジェルマン」は、ラウンジレストラン。食事もよいが、おすすめは土・日限定のアフターヌーン・ティー。フォアグラのカナッペやミニロブスターサンドなどのセイヴォリーに続き、スコーン&フランス産濃厚クリーム&コンフィチュール、5〜6種類のパティスリー。

お菓子の合間には口直しにレモンシャーベットなどの氷菓が挟まれる、見た目も味も魅力たっぷりのコースだ。週末限定というのもあり、大人気のアフターヌーン・ティー。パリ旅行が決まったらすぐにテーブルを予約したい。

味はもちろん美しいプレゼンテーションも魅力的。

ホテルに併設する「ブラッスリー・ルテシア」は、左岸きっての名門ブラッスリーで、ホテルゲストはもちろん界隈に住むシックなパリジャンたちから長年にわたって高い評価を得ている。

シャンパーニュで乾杯し、ブラッスリーならではの生牡蠣や茹でエビなどの海の幸を満喫しながら外を行き交う人々を眺める、いかにもパリらしい食事時間を楽しめる。

パリの古き良き時代、そして今の魅力を感じられる「ルテシア・パリ」。パリ滞在時にぜひ寄ってほしい場所だ。

Lutetia Paris