大谷翔平さんから学ぶべきは「何をするかよりどこにいるか」

2023年に活躍した若手日本人と言えば、将棋の藤井聡太さんと、アメリカメジャーリーグの大谷翔平さんを誰もがあげると思います。2人に共通するのは、今までの常識を遥かに超えるような異次元の活躍。そして、目標を高く持ち、それに向けて一心不乱に努力を続ける才能です。

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大谷翔平さんは、今期のオフでロサンゼルスドジャーズへの移籍を発表しました。その総契約年俸が日本円で1000億円を超えるということで話題になっています。

大谷選手は日本のプロ野球でも二刀流として活躍していましたが、大リーグに移籍する直前の2017年で、年俸は2.7億円でした。

その後エンゼルスでプレーし、初年度は年俸が下がりました。しかし、その後の大活躍で、今年ついに複数年で史上最大の年俸を獲得したのです。

大谷選手の回の快挙ですが、ここから一般人が学ぶべき事は何なのでしょうか?

私は「何をするかより、どこにいるかが圧倒的に重要」ということだと思います。

もし大谷選手が大リーグに移籍するリスクを恐れ、日本のプロ野球にとどまり続けたのであれば、年俸はせいぜい10億円程度でしょう。確かに年俸10億円でもすごい金額ですが、単年度契約としても大リーグの10分の1です。

お金がすべてとは言いませんが、年俸は能力への評価を定量的に知ることができる指標です。リスクをとって大リーグに挑戦し、結果を出したことが、大きな飛躍につながったと言えるのです。

つまり、同じ活躍をしたとしても、どこにいるかによって、その評価が大きく変わってくることがわかります。

もし、このブログを読んでいる方で仕事で成果が出ていないと感じる人がいるとしたら、それは自分の能力が原因ではなく、実は自分のいる場所が間違えているだけかもしれません。

風が吹かないところで、ヨットの帆を立てても前に進むことはできません。風が吹いているところにいれば、誰でも前に進むことができます。

与えられた場所で、懸命に努力することも大切かもしれません。

しかし、今自分がいる場所が本当に自分にとって1番良い場所なのか?

その問いかけこそが、努力以上に自分を飛躍させる最大の力になるかもしれません。

大した努力もしないで、成功している人は、意識的なのか無意識なのかは別として、風が吹いているところにいる人です。

自分も成功したければ、努力をする前にまず風が吹くところを探さなければいけないのです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年12月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。